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MyFrenchFilmFestival.com

18 1月 2015 へ 15:31

「パリ、恋の診療室」 : 「Télérama」誌による映画批評

マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」のパートナー、「Télérama(テレラマ)」誌による、コンペティション部門出品長編作品に関する批評記事をご紹介します。

本日の批評作品

パリ、恋の診療室
アクセル・ロペール監督、2013年製作、ドラマ作品
キャスト:セドリック・カーンロラン・ストケールルイーズ・ブルゴワン

フランス公開:2013年9月4日

評価: 4/5

シノプシス

ボリスとディミトリのピザルニク兄弟にとって、お互いはとても近い存在。二人そろってパリ13区にある同じ診療所で内科医として勤務している。仕事熱心で、注意深く、理解力のある二人。医師という仕事に誇りをもち、生活のほとんどの時間を患者たちのために費やしていた。ある夜、二人は、アリスという糖尿病を患う少女を診療することになった。アリスの母親、ジュディットは、バーで働きながら一人で娘を育てているシングルマザーで、毎夜アリスを一人家に置いて仕事に出なければならなかった。ボリスとディミトリは、二人そろってジュディットに恋をしてしまう。そして兄弟の関係にも、やがて変化が訪れる…。

ロマンティック・コメディ? かならずしもそうではなさそうだ。精神的なロマンティシズム。それこそがむしろ、この作品が、何ものをも恐れず熱く追い求めている像だろう。登場人物たちに、愚直さや、うわべだけの優しさは皆無だ。アクセル・ロペール監督は、現実性よりも表現性を重視している。しかし、かといって日常や現実生活から離れてしまうことはない。ボリスとディミトリの兄弟は、二人とも医師の仕事を非常に大切にしており、パリのチャイナ・タウン、コンクリート住宅の立ち並ぶ「オランピアード」といった周辺地区にも愛着を抱いている。日々、同じ診療室で、一緒に患者たちの治療に精を入れている。なんとも良心的だが、すこし風変わりな兄弟愛ある。それぞれ一人暮らしをしているが、目の前のアパルトマンに住むという距離の近さ。二人とも妻はなく、自己完結してしまっているようなところがある。
ボリスとディミトリは、実は同じ一人の人間なのではないか?二人の関係や人物設定があまりに奇妙で、少しもの哀しく、もしかしたらこれは現代のお伽噺か寓話なのではないかと、そんなことすら考えてしまう。そしてある日、兄弟の前にお姫様が現われる。二人が診察した糖尿病の少女の母親だ。バーに勤めるジュディット(ルイーズ・ブルゴワン)は、夜に娘をのこして家を空けなければならない。そのジュディットをめぐって、同時に恋に落ちた二人の兄弟。彼女がその愛に応えるとして、いったいどちらを選ぶのか?アクセル・ロペールにとって、長編初監督作品「ヴォルベルグ一家」に続く、第二作目。斬新さと、大胆なアレンジがいくつも散りばめられている。心理描写や自然主義的表現をいっさい排除し、念入りに創り上げられた神秘の結晶。輝きと透明感があり、遊び心に富んだ、優美な作品に仕上がっている。そこには、病気や孤独、不安といった、重いテーマも含まれているが、決して深刻になりすぎず、重苦しい空気はない。例えば、兄弟のうちの一人がアルコール中毒を抱えていることも、さりげなく明かされる。
美しく優雅なヴェールのしたに、ヒリヒリするような感受性が見え隠れする。それが、知的なダイアログを土台に、現実的なアクションと夢想の世界とを行き来しながら描いたこの恋愛の三角関係を、より魅力的にしているのだ。歓びと悲しみはつねに一枚裏であり、誰かの幸せは、他の誰かの不幸を招く。しかし無慈悲ではない。原題の「Tirez la langue, Mademoiselle」 (マドモワゼル、舌を見せてください)が、スローガンとして、言葉のピンポンゲームのようにあちこちに登場。フェアプレイを証明しろ、ということかもしれません!

ジャック・モリス  (「Télérama(テレラマ)」誌) 

© Télérama

Author : 広報部

最終更新日 : 14 4月 2015 へ 15:31 CEST

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