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MyFrenchFilmFestival.com

24 1月 2015 へ 01:12

「Vandal ―青春のグラフィティ―」 : 「Télérama」誌による映画批評

マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」のパートナー、「Télérama(テレラマ)」誌による、コンペティション部門出品長編作品に関する批評記事をご紹介します。

 

 

本日の批評作品 :

ヴァンダル ―青春のグラフィティー
エリエ・システルヌ監督、2013年、ドラマ作品
キャスト : ジネディーヌ・ベンシュニンクロエ・ルセールエミール・ベルリング  他
フランス公開 : 2013年10月9日

評価 : 3/5

 

シノプシス


フランス系とアルジェリア系がルーツの少年、シェリフ。15歳の彼は、両親の離婚以来、すっかり非行に走っていた。母親のエレーヌは、反抗的で孤独な息子を持て余し、ストラスブールの親戚の家へ預けることに決める。ストラスブールにはシェリフの父親も暮らしている。そこで彼は、また左官工事の職業訓練学校に通うことになっている。生活が一新するも、すぐにまた息苦しさを感じずにはいられない。そんな時、いとこのトマのおかげで、街の壁などを賑わせている落書きアート、グラフィティの世界を知る。同じ年頃の少年たちが、見つからないように身を隠しながら、街中に「作品」を描きなぐっている。シェリフはグラフィティ に魅了され、のめり込んでゆく。 

 


一番の見どころは、何と言ってもグラフィティを描くシーンだ。このシーンを撮るためにこの映画が作られた、と言ってもいいだろう。グラフィティに魅せられた少年達は、にわかに顔を隠しながら、夜の街の壁をスプレー片手に描きまわる。誰かに発見されそうになると夜の闇に身をひそめ、危険が去ると再びやってきて「作品」を完成させる。
初の長編監督作品という、ある意味もっとも濃密な作品においてエリエ・システルヌが描いたのは、「ヴァンダル」という謎のグラフィティー・ライターを崇拝し、彼の秘密に迫ってゆこうとする少年だった。私たち観客は、主人公の少年が体験している世界にすっかり入り込んでしまう。それはまるで、「時」が存在しない奇妙な美術館。「無」を打ち消すような色彩とフォルムの世界。

しかしながら、この幻想的なお伽話の世界を、現実世界という枠組みにはめ込んだ際、詩的なものとして昇華しきれてはいない感がある。たとえば、母親と、父親と、そして伯父、それぞれとの微妙な関係に、主人公の少年は引きずられ困惑している。グラフィティを描きまわる青年たちの軽々とした身のこなし、彼の心を捉えているのはそれだけだ。とくに印象深かったのは、ジネディーヌ・ベンシュニンエミール・ベルリング演じる二人の少年、シェリフとトマが、建物の屋上からまだ見ぬ「ヴァンダル」に向かって叫ぶシーン。それはまさに、寝静まった街に放たれた若い憤激だ。 

 

Pierre Murat  (「Télérama(テレラマ)」誌)

© Télérama

 

Author : Aurélie Padovan

最終更新日 : 25 1月 2015 へ 01:12 CET

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