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映画祭、イベント

17 6月 2005 へ 15:30

東京発:『アルティメット』監督インタビュー

『Banlieue 13/ アルティメット』ピエール・モレル監督:インタビュー。

カメラ・オペレーター、または撮影監督として、リュック・ベッソン( Luc Besson )作品には欠かせない存在の、ピエール・モレル( Pierre Morel )。『 Banlieue 13 / アルティメット 』は、彼が始めて監督業に進出したスタイリッシュなアクション映画である。その制作裏話とは。

Q:この作品で監督デビューすることになったいきさつを教えてください。
A:「すでに数年前から、リュック・ベッソンの傍らで仕事をしてきました。
『 ジャンヌ・ダルク』『 Taxi 』『 Taxi 2 』ではカメラマンとして、『 Transporteur (Le) / トランスポーター 』や『 Danny the Dog / ダニー・ザ・ドッグ 』では撮影監督として、キャリアを積んできましたが、あるとき彼から、“今度、監督をする気はないか”と聞かれました。そして、この脚本を渡され、感想を聞かせてくれと言われたので、夜通し読み続け、翌日にはすぐに“やります”と返事をしたんです」

Q:どうしてリュック・ベッソンからオファーされたと思いますか?
A:「わからない(笑)。きっと、これまでのコラボレーションを通して、私がアクション映画を撮ることに向いていると思ってくれたこと、また、長年の仕事を通して信頼を置いてくれていたことが理由だと思います。数年前から、監督業に進出したかったのですが、時間的な問題であきらめていましたが、今回このような形で実現したことはすごく嬉しいですね」

Q:最初の監督作品がアクション作品というのは、満足していますか?
A:「そうですね。アクション作品には馴れていましたし、カット割りのような技術的なものについてもプロとしての経験があったので、自信はありました。ただ、役者たちを自分が演出する、指揮するということは初めてだったので、その部分は大きなチャレンジでしたが」

Q:初めてこの脚本を読んだ時の感想は?
A:「もちろん、気に入りました! そうでなければ、監督しようと思いませんからね(笑)。今までも、リュックの作品に関わってきましたから、彼の脚本を読みなれていましたが、特に今回は構成が素晴らしかったですね。まず、二人の主人公のキャラクターが上手く描き出されていたところ、そして、二人の役者が持つ身体能力を最大限に引き出せるものだったというところがとても素晴らしかった。ドラマ性にも優れていましたし」

Q:ユニフランスのマルガレート・メネゴーズ( Margaret Menegoz )会長と話をしたとき、今回の映画祭のラインナップは、フランス映画の多様性をしっかり表していると仰っていましたが、『バンリュー13』は映像のスタイル、スピード感、音楽など、さまざまな面でフランスのアクション映画を代表していると言えると思いますが。
A:「そうですね。国内でも海外でも、フランス映画というとインテリ好みの作家主義的作品、人間の内面を静かに描き出す映画というイメージが強かったと思いますが、最近ではアクション映画の波が押し寄せています。ただ、20年からジャン=ポール・ベルモンド( Jean-Paul Belmondo )が出演していたような作品に代表されるアクション作品が存在していたことを考えると、決して新しいものではないんです」

Q:個人的にはどんな作品から影響を受けたのでしょうか?
A:「やはりアクション作品は子供の頃から好きですね。アメリカ、中国、日本、韓国の映画、フランス国内のアクション作品を得意とする監督たちからも影響を受けています。はじめて一人で観に行った映画は『スター・ウォーズ』。以来、アメリカ文化の洗礼をかなり受けていると思います。でも、私やフランスにおけるアクション映画の作家たちは、ハリウッド映画を模倣するのではなく、自分たちの個性を活かそうとしていますし、フランス的要素とアメリカ的要素の融合を大きな課題にしているんです」

Q:撮影監督は主に監督のビジョンを実現する役目を担っていますが、今回はご自分のビジョンを映像化されたということで、取り組み方にこれまでとの違いがありましたか?
A:「まず物語をよく理解して自分のものにし、それを消化して、再度自分なりの世界観、考え、イメージを生み出し、それを映像として表現するという作業が必要でした。ただ、この物語は共感できるものだったので、その世界に簡単に入り込めましたから苦労はありませんでしたが」

Q:初監督をなさったことで、映画制作に対して新たに芽生えた思いなどはありますか?
A:「いいえ(笑)。まあ、監督は大変だとは再認識しましたが。役者やスタッフをうまく指揮していくのは、凄く難しい仕事ですからね。あと、次回への課題については考えます。また機会があるならば、役者たちにもう少し辛抱強く接するとか、彼らの言い分を聞く耳を持つとか、そういった姿勢を持ちたいですね」

Q:撮影中は辛抱強くなかったんですか(笑)
A:「少なくとも、辛抱強いという評判は立たなかったですよ(笑)」

Q:ベッソン氏は出来上がった作品を観て、何か言っていましたか?
A:「たぶん気に入ってもらえたんだと思います(笑)。そうでなければ、最初に私が何か言われているはずなので。彼はちょっと気難しい人で、気に入らないことがあったり、方向性が違うというときにはすぐわかるんです。ただ、今回は一度もそういったことはなく、撮影の途中でも実際に見に来たり、電話をかけてきたりしましたが、“そのままでいいよ”と言っていましたから。こんな関係が続くことを願っていますよ(笑)」

Q:今後、挑戦してみたいジャンルはありますか?
A:「今年の夏はロンドンで撮影監督として、イギリスの役者を使ったイギリスのコメディを撮る予定です。『ラブ・アクチュアリー』のようなタイプのもの。ですから、今回の作品とは全く違ったタッチの映画にもたずさわっていきたいですね」

 横浜 フランス映画祭 - 2005 /  日本 

(文・取材:牧口じゅん)

Author : ユニフランス東京事務所

最終更新日 : 07 12月 2011 へ 15:30 CET

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