昨年2016年には、視聴回数650万回を記録する大成功を収めた「マイ・フレンチ・フィルム・フェエスティバル(MyFFF)」が今年もまたスタートしました。第7回「MyFFF」では、長編も短編も、さらに激しく心に響く作品が顔を揃え、最強のラインナップとなりました。さっそく映画監督審査員メンバーの名とともに、チェックしていきましょう!
昨夜、パリのコンコルド広場にある「オートモビルクラブ」で開催されたローンチ・パーティーにて、アルゼンチン映画監督パブロ・トラペロがフェスティバルの開幕を告げました。パブロ・トラペロは、『El Bonaerense』や『ハゲ鷹と女医(Carancho)』といった作品で注目を浴び、アルゼンチンの「ヌーヴォー・シネマ」を担う監督の一人と評されました。昨年公開された傑作『エル・クラン』により、トラペロの存在は、今日もっとも高い評価と期待と受けている南米監督として不動のものとなりました。第7回「MyFFF」では、そのパブロ・トラペロが審査委員長を務めます。
トラペロと共に名を連ねている審査員メンバーもまた、世界的に活躍する国内外の映画監督たちです。『De la guerre(戦争について)』、『サンローラン』、『メゾン ある娼館の記憶』、そして最近では『ノクトラマ / 夜行少年たち』が注目を集めたフランス人監督、ベルトラン・ボネロ、また、同じくフランス人で女性監督のレベッカ・ズロトヴスキは、最新作『プラネタリウム(原題)』が2016年トロント国際映画祭(TIFF)でワールド・プレミア上映されたばかりです。ベルギーからは、『変態村(原題:Calvaire)』や、昨年2016年の「MyFFF」で映画関係者審査員賞を受賞した『Alléluia』などが知られるファブリス・デュ・ヴェルツが参加。また、姉で女優のロニ・エルカベッツと共同監督で制作した三部作、『To Take a Wife (仏題:Prendre femme)』、『Seven days (仏題:Les Sept jours)』、『Gett, The Trial of Viviane Amsalem (仏題:Gett – Le procès de Viviane Amsalem)』が高い評価を受けたイスラエル人映画監督、シュロミ・エルカベッツの名も…!
さあ、2017年の最新ラインナップはこちらです!フランス映画の多様性を象徴するいくつかのテーマ別に、長編も短編も一緒にご紹介していきます。
21世紀と共に成長する
成長する?それは素晴らしいことですが、いったいどんな環境で?ファンタズム、性の衝動、タブーの侵犯…。「Coming of age」セレクションでは、そんなキーワードを巡る若者たちの旅を追います。
「Coming of age」セレクション作品 :
- 『Bang Gang (A Modern Love Story)』 (エヴァ・ハッソン監督) ※この作品のMyFFFでの日本国内配信はありません。
- 『転校生』 (ルディ・ローゼンバーグ監督)
- 『わたしはパリジェンヌ』 (ダニエル・アルビド監督)
- 『僕のまわりの悪魔』 (フィリップ・ルザージュ監督) ※コンペティション外、カナダ・ケベック招待作品(協力:Telefilm Canada)
- 『1992年』 (アントニー・ドンク監督)
- 『高架橋』 (パトリス・ラリベルテ監督) ※コンペティション外、カナダ・ケベック招待作品(協力:Telefilm Canada)
家族の物語
ジャン=リュック・ゴダールも、フランソワ・トリュフォーも、フランソワ・オゾンも、アルノー・デプレシャンも、フランス映画の巨匠たちは、いつでも「家族」を描くことに向き合ってきました。笑いあり、涙あり、ささいな出来事によってひとつにまとまったり、散り散りに分裂したりする「家族」の姿を見つめます…。
「We are family」セレクション作品 :
- 『Marguerite & Julien』 (ヴァレリー・ドンゼッリ監督) ※この作品のMyFFFでの日本国内配信はありません。
- 『旅芸人と怪物たち』 (レア・フェネール監督)
- 『家族の食卓』 (アントワンヌ・キュペルス監督) ※コンペティション部門、ベルギー招待作品(協力:Wallonie-Bruxelles Images (WBI))
- 『奥深い水の中で』 (サラ・ヴァン=デン=ブーム監督)
- 『パニック・イン・ザ・ヴィレッジの新学期』 (ヴァンサン・パタール&ステファン・オービエ監督) ※コンペティション部門、ベルギー招待作品(協力:Wallonie-Bruxelles Images (WBI))
フランス流 センチメンタリズム
出会い、そして出発。互いに結びつくことを、または解消することを選ぶ人々。旅立つのか、とどまるのか、一人で道を進むのか、誰かと共に歩むのか…。選択の時はやってくる。
「Love & Friendship」セレクション作品 :
- 『サマー・フィーリング』 (ミカエル・エルス監督)
- 『ジュリエットの仲間』 (オレリアン・ペイール監督)
- 『ぼくたちのジュネーヴ条約』 (ブノワ・マルタン監督)
- 『真のフランス男』 (ピエール=エマニュエル・ユルカン監督)
- 『影と翼』 (エレオノーラ・マリノーニ&エリス・メング監督) ※コンペティション外、スイス招待作品(協力:SWISS FILMS)
狂気の淵へ
フランス映画に描かれる、頭に血が昇った主人公たち。運命に翻弄され、もがき苦しむ人物たちもまた、私たちを魅了してやみません。復讐や贖罪に憑りつかれた人々の果てなき執着を追います。
「Psycho」セレクション作品 :
- 『正しい人間』 (エマニュエル・フィンケル監督)
- 『欲しがる女』 (セバスチャン・マルニエ監督) ※iTunes ほかにて2016年12月2日より配信中。MyFFF公式サイトでの配信はありません。
- 『モカ色の車』 (フレデリック・メルムード監督) ※コンペティション外、スイス招待作品(協力:SWISS FILMS)
- 『グループ・ヴァイオレンス』 (カリム・ブケルシャ監督)
フランス女
凛とした気概と、洗練された上品さを持ち、いつでも時代の先端を行く…。「フランス女」とは、もはや世界がその幻想を共有する、神話化された存在と言えるのではないでしょうか。彼女たちは映画の世界でももちろん特別な存在です。カメラの前でも、後ろでも、それぞれに魅力的な「フランス女」たちが活躍しています。
「A Woman's life」セレクション作品 :
- 『アイム・オール・ユアーズ』 (バヤ・カスミ監督)
- 『5時から7時までのクレオ』 (アニエス・ヴァルダ監督) ※コンペティション外、クラシック作品。この作品のMyFFFでの日本国内配信はありません。
- 『肉体と火山』 (クレマンス・デメム監督)
- 『沈黙』 (ジュリー・グルダン監督)
- 『ママたち』 (マイムナ・ドゥクレ監督)
- 『 4XD - フランソワーズ・ドルレアック』 (フィリップ・ラブロ監督) ※コンペティション外、クラシック作品。この作品はMyFFF公式サイトでのみ配信します(
英語字幕のみ)。
また、フランソワーズ・ドルレアック没後50年にあたる今年、「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」は、この伝説的女優へのオマージュとして、彼女の姿を収めた未発表フィルムを一部公開いたします。『 4XD - フランソワーズ・ドルレアック』は、1964年、ユニフランスの依頼を受け、当時はまだ新人監督だったフィリップ・ラブロが撮影したプロモーション・フィルムです。世界中の映画ファンのみなさまに、今回は「MyFFF」公式サイトMyFrenchFilmFestival限定で特別配信いたします!
ちょっぴり大人の「ナイトショー」 (お子さまはご遠慮ください…!)
今回の「MyFFF」では、コンペティション外の特別配信作品の中から「Midnight Screenings」と題して一風変わったクセのある作品たちをご紹介します。流血シーンにセックス…いえいえ、何よりもご注目いただきたいのはそのユーモアのセンスです!ちょっぴり大人の「ナイトショー」セレクションは、「MyFFF」公式サイトMyFrenchFilmFestivalのみの限定無料配信です。
- 『ウルトラ・セックスを捜せ!』 (ニコラ・シャルレ&ブリュノ・ラヴェンヌ監督)
- 『 ダーン・ディール』 (ピエール=マルク・ドルアン&シモン・ラマール=ルドゥー監督) ※カナダ・ケベック招待作品(協力:Telefilm Canada)
- 『配管工とポルノ映画』 (メリル・フォルチュナ=ロッシ &グザヴィエ・セロン監督 ※ベルギー招待作品(協力:Wallonie-Bruxelles Images (WBI))
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