雪に覆われながらも期待の持てる、フランス映画の一年の始まり。
ヒット作 「Le Dernier Trappeur / 仮題:最後の狩人」(動員数約2百万人)や好調な出だしとなった「La Marche de l’empereur / 仮題:皇帝ペンギン」(公開一週目に約45万人を動員)、さらには「Les Soeurs fachees / 仮題:怒れる姉妹」(130万人を超える動員数)、「L’ Un reste l’autre part / 仮題:一人は残り、もう一人は出て行く」(既に70万人を超える動員数)の成功により、2005年のフランス映画は幸先良いスタートを切りました。
昨年12月に好調なスタートを切ったNicolas Vanier 監督三番目の長編作Le Dernier trappeur ですが、未だに合計521館で上映が続いており、快調なペースを保っています。リリース後一週目より、主人公ノーマン・ウィンターと橇を引く犬達は観客から絶大な支持を得ました。このドキュメンタリー作品は公開後一週間の時点で85万人、コピー毎の平均動員数にして約850人を記録しています。監督の描く、凍りついた雪世界は新たにフランス人を魅了し、Jean-Pierre Bailly (MC4 Productions) 製作、TFM Distribution 配給による本作品は動員数2百万人の大台を超えようとしており、1月のボックスオフィスの第3位にランクインしています。
自然界を描いたドキュメンタリーのヒット現象は1996年の「Microcosmos - Le Peuple de l'herbe Constate / ミクロコスモス」(351万5336人)で認められ、2001年の「Le Peuple migrateur / WATARIDORI」(275万459人)で確かなものとなりましたが、Le Dernier trappeur の成功により3度目にしてこの現象は動かすことのできない事実となりました。TF1 International からこの作品を購入し、あるいは既に劇場公開を開始した海外配給会社の皆様にとっては、ヒットを予感させる作品です。
Luc Jacquet 監督の初長編、 Le dernier trappeur と同じコンセプトのLa Marche de l’empereur は、公開一週目に動員数が45万人近く達し、素晴らしいスタートとなりました。Yves Darondeau、Christophe Lioud、Emmanuel Priou (Bonne Pioche)作の本作品はコピー毎の平均動員数が1097人と好調で、1月26日に公開が始まったばかりだというのに、1月の月間チャートの11位にランクインしています。自然界の冒険映画に対するフランスの現在のブームから考えて、l’Alliance de Production Cinematographique による合作、フランス国内の配給をBuena Vista Internationalが担当する本作品がまもなく動員数100万を超え、しかもこの大台が第一歩に過ぎないことは容易に予想されます。La Marche de l’empereur はなにより子供、家族向け映画であり、その子供たちの冬休みが近づいているため、良好な結果を残すことができるでしょう。Exception - Wild Bunch から本作品を購入した海外バイヤーの方々もこれら全ての要素にお喜びのことでしょう。外国でもペンギンたちの暮らしが観客を魅了することは間違いなし!
別なジャンルでは、Les Soeurs fachees がフランスの観客達の心をとらえています。1月末の時点で、130万人を超える観客がIsabelle Huppert と Catherine Frot のデュオに拍手を送りました。la Pan-europeenne 製作・配給によるAlexandra Leclere 初監督作品である本作は12月22日に340コピーという好調なスタートを切りました。
一方最も輝かしいスターを集め、432コピーという素晴らしいリリースを迎えたClaude Berri(Hirsch)監督・製作の最新作L’ Un reste l’autre part は、一挙に2005年公開された映画の第一位にランクインしました。本作品は公開開始3週目にして、既に動員数70万人を超えています。
今月避けて通れない作品、Arnaud Desplechin 監督作「Rois et reine / 王と王妃」。12月22日に公開が始まったこの作品は公開開始から7日間で観客動員数41万5千人を超え、コピー毎平均は1010人となっています。既にLouis Delluc賞に輝いたWhy Not Productions製作、Bac Films配給による本作品の主演はEmmanuelle Devos と Mathieu Amalric です。
最後になりますが、Jean-Claude Flamand-Barny 初監督作「Neg Maron / 仮題:ネグ・マロン」は既に7万5183人を動員しており、第一週にコピー毎平均動員数1407人という素晴らしい成績を収めています。
2005年1月以来公開されたフランス映画のトップ5
作品名 | 公開開始日 | コピー数 | 入場者数 | 興行収入(100万ユーロ) |
L’ Un reste l’autre part | 1月12日 | 260 | 703 020 | 3.8 |
La Marche de l’Empereur | 1月26日 | 408 | 447 512 | 2.46 |
Tu vas rire mais je te quitte | 1月5日 | 231 | 170 511 | 0.93 |
Mon Ange | 1月19日 | 307 | 168 416 | 0.92 |
Le plus beau jour de ma vie | 1月5日 | 234 | 122 137 | 0.67 |