1月下旬より公開される映画『ロルナの祈り』のプロモーションのため、ダルデンヌ兄弟(監督)、主演女優のアルタ・ドブロシが来日し、会見を行った。
1月下旬より公開される映画『ロルナの祈り』のプロモーションのため、ヨーロッパの名匠ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌの兄弟監督が、主演女優のアルタ・ドブロシをともなって来日。25日、東京・銀座で記者会見を行った。
『ロルナの祈り』は、これまで『ロゼッタ』『ある子供』の2作でカンヌ映画祭パルムドール(最高賞)を獲得しているダルデンヌ兄弟の最新作で、監督たちはこの映画でもカンヌ映画祭脚本賞に輝いた。映画は、アルバニアからベルギーに移民した女性を主人公にした愛の物語。コソヴォ出身のアルバニア人女優アルタ・ドブロシが主役のロルナを演じている。
兄のジャン=ピエールは、今回の映画について、「この映画はラブ・ストーリーともいえるが、愛の対象が消えてしまってから、愛が育ち現れ始めるという逆説的なラブ・ストーリー」と話した。弟のリュックは、兄弟で映画を監督することについて、「僕らが喧嘩するのは、きょうのレストランはどうするかといった、つまらないことだけ(笑)。映画づくりでは、議論はあるけれど、それは互いのアイディアを発展させるためのもの」と30年以上に及ぶ共同作業をユーモアを交えて語った。本作で国際的に注目された女優アルタ・ドブロシも「たしかに監督たちはレストランのことでは喧嘩してたわ(笑)」と証言。さらに「現場はまるで自分の家のようにリラックスできた。それも監督たちが俳優たちの意見にもオープンな姿勢でいてくれるからこそ」と監督への感謝を述べた。
そして会見の最後には、あるスポーツ紙の質問に、なぜか監督たちは大喜び。「僕らは大のサッカーファン。贔屓のチームは僕らの故郷リエージュのチーム。UEFAカップにも出られそうなんだ!」と地元チームを宣伝。毎回、社会の中で恵まれない者たちを主人公に、深いヒューマニティを描き続ける映画からは、思いもよらぬユーモラスな発言で会場を笑いで包んだ。
『ロルナの祈り』は2009年1月下旬より恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー。
写真:左よりリュック・ダルデンヌ(監督)、アルタ・ドブロシ(主演)、ジャン=ピエール・ダルデンヌ(監督)