2003年度上半期、フランス映画の各国合計入場数チャート
安全株と新しい才能、大衆向け映画とアート系映画、フィクションとドキュメンタリーが混在する、多様でバイタリティにあふれたフランス映画、このヒットチャートは様々な理由から、昨今のフランス映画を反映する結果と言えるでしょう。
チャート上位2作品:Gerard Krawczyk 作 「Taxi 3」、Cedric Klapisch 作 「L’Auberge Espagnole (スペインの宿)」の2作品はフランスで大好評を博した後、世界的にも大成功となりました。
世界中で340万を超える人々が 「Taxi 3 」を見ています。DVD Group が3月27日、110本で公開を開始したロシアでは、2ヶ月に満たない期間で125万5千人もの入場数を記録し、ベストスコアとなっています。本作品は、日本ではAsmik-Aceにより123本が公開され、約60万の入場数を記録しました。
一方、「スペインの宿」は120万を超える観客を動員しています。ヨーロッパで好評であったこの作品がアメリカでも同様に成功を収めたことは嬉しい驚きです。Fox Searchlight により5月15日から公開が始まり、6月末には約300万ドルの興行収入を記録しました。 なお、同監督作 「Chacun cherche son chat (猫が行方不明)」 は既に1996年、アメリカ公開時に素晴らしい成功を遂げています。
ドキュメンタリー作品の占める位置も本上半期のサプライズの一つ
「Le Peuple migrateur (WATARIDORI)」と Nicolas Philibert 作 「Etre et avoir (ぼくの好きな先生)」の2作品はそれぞれトップ10の3位と10位を占めています。
“アート系映画”2作品:チャートの第4位、5位につけているのは、Gaspar Noe 作「Irreversible (アレックス)」、Patrice Leconte 作 「Homme du train (列車の男)」の2作品です。またしてもアメリカが、これらの作品に対し最大の観客動員数をもたらしました。「アレックス」は3月7日 、Lions Gate から35本で公開が始まり、現時点で合計しておよそ76万ドルの興行成績となっています。
Paramount により5月9日、85本で公開の始まった「列車の男」は、6月末には160万ドルを記録しました。本作品はまた、イギリスで40万ポンドの興行収入、イタリアで30万人の動員数をもたらしています。
外国語によるフランス映画:「Le Pianiste (戦場のピアニスト)」は数多くの賞(フランスのセザール映画賞・主演男優賞、アカデミー賞・主演男優、最優秀演出、カンヌ映画祭・パルムドール各賞)を獲得し、世界中で5600万ユーロを超える興行成績を収めています。本作品は世界24カ国で劇場公開されました。およそ1000万の観客がウラディスラフ・シュピルマンの物語に感動したことになります。
アメリカとドイツが飛び込む「スイミング・プール」
Francois Ozon 監督作 「Swimming Pool」の成功はアメリカやドイツにも広がります。アメリカでは Focus Feature により7月1日に公開され、9月1日時点で動員数にして約150万人、9百万ドルを超える興行収入を記録しました。60本で公開を始めた本作品は、8月中旬には257本に増加しています。ドイツでは8月14日、119館で公開を開始しました。配給元は Constantin film で、公開から2週間のうちに11万7千人を動員し、快調なスタートを切っています。
イギリスはほっと一息
フランス・イタリア合作 Emanuele Crialese 監督作品「Respiro(グラツィアの島)」のイギリス公開は8月8日にスタートしました。Metro Tartan が38館で公開を開始したこの作品は、8月末には28万6千ポンド(42万7千ユーロ)の興行収入を収めています。
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