解放されたイタリア全土では、1944年の戦争の生存者達が過去、または未来を求めてさまよい始めていた。騒乱のさなかに全てを失い、彷徨に疲れた男女の一団は、モデーナとボローニャの間の荒廃した村に落ち着くことに決める。 ヴィットリーニが語るところの、地震により壊滅した村を再建したメッシーナの女たちの如く、一行は瓦礫の山を修復し、新しい人生をスタートさせようと試みるのだった。彼らの物語は自然から人類の歴史へと向かう果てしない道のりを駆け抜けた初期の人間の叙事詩とあらゆる点で類似している。
このヴィットリーニの小説は1949年に初めて出版されたが、重要な手直しが加えられ、1964年出版の完全版では66年に逝去した偉大なる作家の扱った全ての主題が見られる。