カンヌで賞を取り、フランスの映画ファンに歓迎され…!
苦戦が続いた夏も終わり、9月の新学期シーズン。新作が好調なスタートを切ったAgnes Jaoui を始めとして、自国、海外両方で評価の高いフランスのシネアスト達の作品は、フレンチシネマに新たな成功の数々をもたらしました。
初の監督作品「Le Gout des autres (ムッシュ・カステラの恋)」がフランスで入場数370万を記録したアニエス・ジャウイ、その次回作は大変期待が持たれていました。そして監督、女優、脚本を一挙に担当する新作は、目下期待通りの好成績となっています。Mars Distribution の配給、9月22日より426コピーという好調なスタートを切った「Comme une image (みんな誰かの愛しい人)」。公開第一週目にして約60万の観客を動員、コピー毎の平均観客数1386人という素晴らしい記録を残し、一気にボックスオフィスのトップに躍り上がりました。2週目も好調を維持しつつ、フランスでの観客数が100万人の大台を超える日も間近と見られています。Les Films A4 製作による本作品ですが、カンヌ映画祭最優秀脚本賞を受賞し、脚本家デュオ、そして俳優としての Jaoui・Bacri 人気をさらに確実なものにしています。またこの映画では母親 Josiane Balasko と同じ道を歩もうとしている若手女優 Marie-Lou Berry が初めて大々的に紹介されています。
カンヌ出品作という勢いに乗ってStudioCanal から本作品を購入した海外バイヤー達も喜ぶ素晴らしい結果の数々、数週間のうちにさまざまな国で「Comme une image」の公開が始まります。
この9月には、別な俳優による二回目の監督作品も映画ファンの歓迎を受けました。Yvan Attal 監督自ら主人公となりCharlotte Gainsbourg と共演する「Ils se marierent et eurent beaucoup d’enfants (仮題:二人は結婚し、たくさん子供が生まれましたとさ)」。Pathe により8月25日から公開がスタートした本作品は公開から一ヵ月で約90万人の観客数を記録し、公開終了時には100万人の大台を超えるものと見られます。Pathe Renn Productions 製作による本作品はPathe により国際的に販売されています。
こちらは初の監督作品ですが Laurent Tirard 作「Mensonges et trahisons et plus si affinite...(仮題:嘘に裏切り、それに親近感があったら…)」。公開後3週間で約60万人の観客を動員し、素晴らしい記録となっています。主人公を演じるEdouard Baer がフランスの観客を魅了したことによる功績が大きいと思われます。Fidelite Productions 製作による本作品は、EuropaCorp により国際的に販売されています。
有名映画祭においてフランスのカラーを象徴することとなった3つのアート系作品も9月は動員数確得のために奔走しました。Francois Ozon 監督作、ベネチア映画祭コンペ作品「5 x 2 」は、9月1日の公開スタート以来約50万人の観客を動員しました。Valeria Bruni-Tedeschi 、Stephane Freiss が出演する本作品ですが、Celluloid Dreams が販売した諸外国において、さらなる勢いに乗った展開が期待されています。同日に公開が始まったOlivier Assayas 監督作、Maggie Cheung がカンヌ映画祭にて最優秀主演女優賞を獲得した「Clean 」。本作品はフランス国内の映画館で約40万人を動員しています。こちらもカンヌで最優秀監督賞を受賞したフランス映画「Exils 」、フランスでは8月末に公開がスタートしました。Tony Gatlif 監督、Romain Duris 、Lubna Azabal 主演、セールス担当Pyramide International による本作品は好調を維持しており、動員数30万の大台に達しようとしています。
Christophe Barratier 監督作「Les Choristes (仮題:コーラス)」も忘れてはなりません。未だ動員数は衰える気配を見せず、先日入場数8百万の大台を超え、「Le Fabuleux Destin d’Amelie Poulain (アメリ)」や「Asterix et Obelix contre Cesar (アステリクスとオベリクス)」といったフランス映画 の記録に追いつこうとしています。
これらの好成績により、フランス映画の市場占有率は慣例的な33%、約4300万人の動員数を記録しました。
10月の劇場公開作品
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毎年年末が近づく時期にはフランス映画が数多く公開されますが、2004年もその例に漏れません。10月6日には Charles Nemes (Roissy Films)作「Le Carton (仮題:ダンボール)」、Alain Berberian 作(Gaumont)、Jean Reno 、Christian Clavier 出演の「L’ Enquete corse (仮題:コルシカ捜査)」、以上ニつのコメディ作品の公開が始まります。また同じ日に Lorraine Levy 監督作、前述の Marie-Lou Berry が出演する「La premiere fois que j’ai eu 20 ans (仮題:初めて20歳になったとき)」(Pathe International)と古典文学を元にしたPhilippe de Broca の新作、Catherine Frot 、Jacques Villeret 出演の「Vipere au poing (仮題:腹黒女)」(Pyramide International)の公開もスタートします。
10月13日、Jean-Paul Salome が Romain Duris 、Kristin Scott Thomas らと共に「Arsene Lupin (アルセーヌ・ルパン)」(TF1 International)の謎を明かします。またカンヌ映画祭の観客に感動を与えた Eleonore Faucher 初監督作品「Brodeuses (クレールの刺繍)」(Pyramide International)が一般公開されます。
10月20日、「Microcosmos 」を製作した Claude Nuridsany と Marie Perennou の2監督が、「Genesis (仮題:創世記)」(StudioCanal)の中で彼らから見た世界の創造の秘密を明かします。Gabriel Aghion は「Pedale douce(ペダル・ドゥース)」の続編「Pedale dure (仮題:ペダル・デユール)」(Pathe International)をお届けします。その他のジャンルでは、Simone Bitton 作ドキュメンタリー「Le Mur (仮題:壁)」(Wide)の劇場公開が始まります。
10月の締めくくりは今年一番の話題作、Jean-Pierre Jeunet 作「Un long dimanche de fiancailles (仮題:長い日曜日)」。監督お気に入りのアメリ、Audrey Tautou が出演します。
2004年1月以降公開されたフランス映画のトップ10
作品名 | 公開 | コピー数 * | 入場者数 | 興行成績(MEUR) |
Les Choristes*(コーラス) | 3月 | 326 | 8 077 007 | 44.4 |
Podium(スターは俺だ!) | 2月 | 554 | 3 559 512 | 19.6 |
Deux Freres(トゥー・ブラザーズ) | 3月 | 739 | 3 297 298 | 18.1 |
Les 11 Commandements(仮題:11戒) | 2月 | 501 | 2 966 348 | 16.3 |
Les Rivieres pourpres 2(クリムゾン・リバー2黙示録の天使たち) | 2月 | 650 | 2 090 010 | 11.5 |
Mariages(マリアージュ!) | 4月 | 100 | 2 004 114 | 11.0 |
Double zero(仮題:ダブル・ゼロ) | 6月 | 595 | 1 849 573 | 10.2 |
RRRrrrr ! | 1月 | 775 | 1 703 125 | 9.4 |
Malabar Princess | 3月 | 291 | 1 457 934 | 8.0 |
Immortel (ad vitam)(ゴッド・ディーバ) | 3月 | 400 | 996 172 | 5.5 |
* 公開スタート時点のコピー数