フランスのビートたけし!? 『スターは俺だ!』の主演ブノワ・ポールヴ-ルド( Benoît Poelvoorde )独占インタビュー!!
60年代にフレンチ・ポップス界を席巻した人気歌手クロード・フランソワのそっくりさんが、物真似コンテストで優勝を目指す姿をスラップスティックに描いた『Podium / スターは俺だ! 』の主演俳優ブノワ・ポールヴ-ルド。今年のカンヌ国際映画祭ではエマニュエル べアール とともにコンペの審査員を務めた彼だが、今回は、1994年の"ゆうばり国際ファンタスティック映画祭"、2002年の"フランス映画祭 横浜"に続く3度目の来日だ。
……この役を演じるにあたり、どのような役作りをしましたか?
B・ポールヴ-ルド「3ヶ月の間、毎日毎日ダンスを2時間、歌を2時間レッスンしたんだ。もうヘトヘトだったけど、その甲斐があって、映画の中での踊りと歌は1シーンを除いて僕が全部こなしてるのさ。でも正直言って、もう2度ダンスはしたくないね(笑)」
……これはヤン・モアクス( Yann Moix )監督が2002年に発表した小説“スターは俺だ!”を彼が自ら映画化した作品ですが、映画と原作の大きな違いは何ですか?
B・ポールヴ-ルド「ラストが全く違う。小説の最後はアン・ハッピーなんだ。それに主人公の妻の役割も大きく変わっている。この映画がフランスで大受けした大きな理由は、ラストを変えてハッピー・エンドにしたからだと思うね」
……即興で演じたり、アドリブを入れたシーンはありますか?
B・ポールヴ-ルド「結構ね、色々とやったよ。この8月にDVDがフランスで出るんだけど、僕がバカバカしいことを山のようにやっている2時間のロング・バージョンでリリースされるんだ」
……鮮烈なデビュー作『ありふれた事件』では共同監督&主演でしたが今後、監督業へ進出するお気持ちは?
B・ポールヴ-ルド「いや、まだ監督はしたことはないよ。『ありふれた事件』は共同監督じゃなくて共同で脚本を書いた作品なんだ。でも監督は是非やってみたいね。実はね、今シナリオを書いているんだ。それを監督したいと思ってる。自分の監督作品を携えて来日できれば嬉しいね」
……ところで今年、カンヌで審査員をなされましたね。ブノワ・ポールヴ-ルドさんの意見は受賞結果にどれほど反映されていますか?
B・ポールヴ-ルド「幾つかの作品については反映されたよ。でも意見の相違があるのは当然だし、それこそが重要なことだと思う。それに僕たち審査員は作品をただ単に審査するだけじゃなく、それ以外にも“情熱的かどうか”というレベルでも話し合っていった。僕が今、日本にいるから言うわけじゃないが、『誰も知らない』の柳楽優弥クンの演技には本当に感心した。そして、その素晴らしい演技を彼から引き出した是枝監督もたいへん力量のある監督だと思うよ」
横浜 フランス映画祭 - 2004 / 日本
(取材:KIKKA)