『35歳とサムシング』多彩なキャリアをもつ新鋭セシル・テレルマン監督インタビュー!
本国フランスで女性の心をつかんで大ヒット!仕事と恋愛に悩む30代の女性心理を痛快な本音トークで綴る『 Tout pour plaire / 35歳とサムシング 』。監督は、配給会社につとめ、併行してドキュメンタリー製作会社を設立したという多彩なキャリアを持つセシルテレルマン( Cécile Telerman )。本作がデビュー作となる彼女に作品、そして自身のキャリアについて語ってもらった。
Q-----日本に来るのは初めてですか?
日本はとてもよい印象です。来る前はなぜか怖い印象がありましたが・・。東京にも昨日行きましたが、広くて人がすいこまれていくようなイメージです。
Q-----作品を撮ることになったきっかけを教えて下さい。
CNC国立映画センター( CNC - Centre national du cinéma et de l’image animée )という映画に補助金を出す仕事するところで働いていました。その頃からシナリオを少しずつ書き始め、友人の監督やプロデュースをしているヤン・ジルベール( Yann Gilbert )に見せたのです。そしたら、とてもよい作品だから書き直しをして仕上げたほうが良いね。と言われたんです。ドキュメンタリーの製作会社を大学の友達と設立しました。彼女はドキュメンタリーを撮り、私は映画のシナリオを書いていたというわけです。
Q-----映画に対する哲学はお持ちなのでしょうか?
哲学というのはありません。すべてやり方は経験にもとづいて実践を重ねているだけです。何か一般的なことを言いたいというわけではないのです。転職するということはリスクを伴うものですが、やってみないよりはやったほうがいいという考えです。
Q-----30歳を過ぎた自立する力のある女性を描くというテーマを選んだキッカケは?
テーマを選ぶということはないですね。選ぶというより自然と欲求が沸いてくるのです。自分が何をしたいのかを考えてみると、自分や友人や仕事で出会った人が同じ悩みを抱えていることに気が付いたのです。社会が変わり、女性が自立したために男性が女性に対して恐怖感を抱いているのです。女性が子供を何人産むかということなど自分自身で選ぶようになった一方で、男性は変わっていないという状況がありました。
Q-----個人的に思い入れのある役を3人の中から選ぶとしたら誰でしょうか?
3人とも私の中にいる人物です。ただ、ジュリエットが一番近いかもしれません。男に腹を立てたり、逆に男の人が傍にいなくてさみしい思いをしたこともあるからです。一番愛着があるのはジュリエットですが、時期によってはフローランスであるときもあり、そうでなければ、一生不幸に鳴ってしまいますよね。マリーは一番遠いです。彼女にとてもよく似た人が近くにいるんです。強い性格で、時に感じがよくない印象を与えるような人物ですね。
法律を学び、配給会社で働くかたわらでドキュメンタリー製作会社を設立・・華々しいキャリアを聞いたときはどんなに強い女性だろうと思っていたが、現れたのは淡い色のカットソーがよく似合う物腰の柔らかいかわいらしさを感じさせる女性であった。しかし話を聞いていると、映画にまっすぐに向き合って生きてきた芯の強い映画人の姿があった。今後は引き続き監督業に専念していくとのことで、さまざまな人生経験から紡がれる物語に期待したい。
横浜 フランス映画祭 - 2005 / 日本
(Yuko Ozawa)