『マリスコス・ビーチ』出演のジルベール・メルキにインタビュー!
100%ハッピーなコメディ・ミュージカル『 Crustaces et coquillages / マリスコス・ビーチ 』。ある家族の海辺でのバカンスは、一見何の変哲もない夏休みの一ページのよう・・。しかし、妻ベアトリスが息子リシャールを「ゲイでは?」と疑ったことをきっかけに次から次へと起こる家族内のカミングアウト!妻は、浮気、息子はゲイ?、実は夫がゲイ?、娘は彼氏とどこかへ消えてしまって・・。予測不可能なストーリー展開は、家庭崩壊へ向かっていく様相なのにその語り口は実に楽観的。そして、最高にハッピーなラストへと走りぬけていく。
今回、7年前に『原色パリ図鑑/ Would I Lie To You? 』で日本を訪れてから2度目の来日となる夫役マルクを演じたジルベール・メルキ( Gilbert Melki )に話を聞いた。
------Q:脚本を読んだ感想を聞かせてください。
「大笑いしました。今回私はホモ役を演じることになりましたが、ヘテオセクシャルである私にこのような役を与えることに初めは不思議な気持ちでした。ですが、このような奇妙な役を私が演じると言うことを監督自身が楽しんでいたのではないかと思います。この作品は色々な要素が含まれています。性的な話、楽しみ、そしてそれ以上に「快楽」が作品の全てににじみでています。セクシュアリティ、恋愛、バカンス、とにかく色々な要素がこの作品には含まれています。」
------Q:作中では堅実な夫であり2人の子供の父であり、ホモセクシュアルをカミングアウトもします。監督からの要求の多いこの役を演じることは難しいのではと思いますが。
メルキ「難しいというよりは、逆にいろいろな面を演じ分けるのが楽しいんです。一つ一つを楽しんで演じました。」
------Q:俳優として今は充実されているのですね。
「パリに帰ったら、日本では上映されるのか分かりませんが、ルカ・ベルボー( Lucas Belvaux )という監督のドミニク・ブラン( Dominique Blanc )の出る『トリロジー』の撮影が決まっています。それから、エマニュエル・キュロー( Emmanuelle Cuau )監督のカトリーヌ・フロー( Catherine Frot )出演の作品、クレール・シモン( Claire Simon )の作品などが決まっています。コメディ作品と作家主義の作品に出演が決まっています。そうですね、俳優としては文句なく非常に順調です。」
------Q:妻ベアトリス役のヴァレルア・ブルーニ・テデスキ( Valeria Bruni-Tedeschi )について、共演した感想は?
「撮影入ってすぐに彼女の夫役であるという気持ちになりました。それは二人ともイタリア語を話すと言う共通点があったからでしょうね。」
------Q:共同監督のオリヴィエ・デュカステル( Olivier Ducastel )、ジャック・マルティノー( Jacques Martineau )について聞かせてください。
「オリビエがフレームや照明について撮影監督に指示をし、演出をする、ジャックは脚本やセリフについてのことをするんだ。まさに静と動、まったく対照的な二人だよ。」
最後に日本のフランス映画ファンへのメッセージをお願いすると、「日本の映画ファンはいろいろなジャンルの作品を観ているよね。フランス映画をもっと好きになって欲しい。私も昔の日本のヤクザ映画や今村昌平監督、北野武監督の作品をよく観ているよ。」と穏やかな口調で話してくれた。今俳優として”文句なく充実している”との発言からも分かるとおり、出演作が今後目白押しである。メルキ本人からも余裕と自信のなせるオーラと、男の色香が感じられ、このあとの動きが楽しみな俳優が持つ独特のブレイク前夜の香りがした。
横浜 フランス映画祭 - 2005 / 日本
(YukoOzawa)