シャブロルの才気溢れる日本未公開作。パリの電気店に勤める四人の若きパリジェンヌの、怠惰な昼と刺激に満ちた夜の生活を、これぞヌーヴェル・ヴァーグというみずみずしいタッチで奔放に綴って、魅力的な一篇だ。四人それぞれに個性が違い、ただ一人遊びたがらない地味な娘が夜はクラブの歌手をしていた--という“二重生活”の事実を、他の三人が偶然に見つけるあたりの演出の呼吸が見事だ。また後段の、まさかと思えるほどの異常心理犯罪の犠牲になっていく娘の挿話の描き方は、実に斬新。絶頂にあったシャブロルのジャズ的な映像感覚が冴えまくっている。
Source : allcinema.net