あらすじ
J・ルノワールの喜劇というだけで、無条件の愉しさが約束されたようなものだが、この作品は、多少複雑な設定が話の進むうちどんどんシンプルになってい き、ちょうど作中にあるヒロインの泉での入浴シーンのように、飾らないすっぽんぽんの映画になる。最高だ。人工授精で純良な血統を培う方を普及させた生物 学者エチアンヌ・アレクシ博士は、生殖のための愛の行為は抑制されるべきとの方針で、欧州連合大統領選にうって出、その支持基盤を固めるため、ドイツの ガール・スカウト組織者シャルロッテ伯令嬢との政略婚も予定されていた。一方、素朴な農家の娘ネネットは、兄夫婦の様子を見て、“男で苦労するのは真っ 平”と、近くの別荘の博士を訪ね、自らを実験台にしてもらおうとして女中になり、彼と令嬢のマスコミ向け昼食会にかり出される。それは森に出ての“草上の 昼食”。ただし、卓や椅子を並べての無粋なものだった。そこへ村の名物爺さんのガスパールが山羊のカブリを連れ、現われた。取り出した笛を吹くと暴風が吹 き荒れ、それが過ぎるとみんな抑圧のたがが外れて、博士はネネットと、共に若者たちのキャンプに誘われ、いつしか草むらで愛し合う仲に……。それをただ、 風そよぐ草原と、漂う水藻、花にとまる虫などで表わす、この光と官能の印象派画家の息子の、父を上回ろうかという豊かな表現力には溜息が出る。二人はネ ネットの実家(父オーギュストの旧宅を使用)での愛の隠遁生活を送るのだが、博士はいつしかまた表舞台に引っぱり出される。ネネットは博士の子を妊娠して いたが、それを告げることなく、出産費用のため博士と令嬢との挙式の手伝いをしている所を、彼に発見された。そして、式は急拠、この二人のものに変わって しまうのだった。C・ルーベルのネネットの健康なお色気はちきれんばかり。だが、主役は南仏プロヴァンスの風光明媚でありましょう。
Source : allcinema.net
クレジット
監督 (1)
俳優 (16)
映画製作・配給会社 (3)
- 製作代表 : Compagnie Jean Renoir
- Film exports/foreign sales : Tamasa Distribution
- フランス国内配給 : Pathé Consortium Cinéma
クレジットタイトル詳細 (8)
- シナリオライター : Jean Renoir
- フォトディレクター : Georges Leclerc
- 作曲家 : Joseph Kosma
- 監督補佐 : Marc Simenon
- Editor : Renée Lichtig
- Producers : Jean Renoir, Ginette Courtois
- 撮影技師アシスタント : Andréas Winding
- Assistant editor : Françoise London
技術面詳細
- タイプ : 長編映画
- ジャンル : フィクション
- 言語 : フランス語
- その他の国の共同制作者 : フランス (100.0%)
- Original French-language productions : 不明
- 製作国 : 100%フランス (フランス)
- 製作年 : 1959
- フランス公開 : 11/11/1959
- 上映時間 : 1 時間 32 分
- 経過状況 : 公開済み
- ニュメロ·デ Visa : 22360
- ビザ発行日 : 09/09/1959
- CNC助成 : 不明
- 生産のフォーマット : 35ミリ
- カラータイプ : カラー
- 画面セット : 1.66
興行収入・公開作品
テレビ放送
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ニュース&アワード
About
『草の上の昼食』(Le Déjeuner sur l'herbe)は、ジャン・ルノワール監督晩年の喜劇映画である。複数のカメラを同時に回すテレビドラマ的手法を用い、風光明媚なプロヴァンスを背景に、自然と人間性の美しさを謳う。「突風場面」が有名である。原題 : Le Déjeuner sur L'herbe 、1959年公開。
博士の主張は「積極的優生学」に分類されるものであり、この種の思想はフランスでもある程度浸透していた。
博士の主張するアポローン的精神から、山羊を連れた男の笛の音で性的な人間性が解放される場面は、パン、サテュロス、アウロス、マイナスが登場するディオニューソス的祭典を思わせる。劇中ディアーナへの言及もある。ジョセフ・コスマの木管楽器と打楽器を中心とした音楽が美しい。
Source : Wikipedia