カンボジアは夢砕かれた国だ。劇場も、興行する場所も何もない。伝統芸術や大衆芸術はテレビというライバルにおされて彼らの世代で消滅寸前。しかしアーティスト達はまだ存在している。 組織、経済的支援、興行する場がなく継承することのできない伝統の継承者達は貧困の中で生きるか、あるいは観光客へエキゾチックなショーを見せるという道しか残されてなかった。
カンボジアではアーティストはアーティストとして生まれる(ダンサー、役者、歌手などは世襲制で引き継がれる)。そしてその伝統は今も残っている。戦争も、虐殺も、超自由経済主義の残酷さも彼らの信念を変えることはできないと同時にそれは傷つきやすく、そして明らかに彼らのもとにのしかかってくる。今日彼らは言葉さえ持たない。
この映画の意図は私たちの生きている現実を象徴するプランのもと、役者達を集結させることにある:何かを私たちの間で断片的な部分、自尊心、アイデンティティをばらしていくこと。でないと私たちは記憶を失いつつある。