あらすじ
薄 闇。男女が抱きあう。彼女(エマニュエル・リヴァ)がつぶやく、《私、広島で何もかも見たわ》彼(岡田英次)が答える、《君は何も見ちゃいない》病院、被 爆者の顔、苦しみの図、あの影、焼けた石。博物館のきのこ雲の模型。平和広場。記念アーチ。橋や川。《何も見ちゃいない》午前四時だ。彼はあの時、夏休み で広島にいなかった。彼女は映画出演でパリから広島へきた。その前はイヨンヌ県のヌベールにいた。二人は偶然知り合った。彼は建築技師だ。彼女は広島の映 画で看護婦に扮していた。《あしたの今頃、フランスへ発つの》二人はホテルの彼女の室を出た。《ヌベールで気が狂ったことがあるの》彼女が歩きながらい う。--病院の前で、彼女の映画のロケが行われる。彼は彼女を探す。女は木蔭で休んでいた。撮影隊はデモ行進を撮った。二人はデモを眺める。彼にさそわ れ、女は男の家へ行く。妻は留守だ。《私だって夫と幸福よ》二人は抱きあう。彼女が戦争中に愛した男はドイツ人だった。《そして、彼は死んだの》その時、 彼女は今日の女になり始めたのだろう。出発まで十六時間しかない。女は悲痛な顔で室を見廻す。もう夕暮だ。--川べりの喫茶店に二人がいる。女の意識のな かで、彼と、ドイツ人の恋人がひとつになる。恋人が死んだあと、女は突然叫びだす。地下室に閉じこめられる。地下で彼女は二十の誕生日を迎えた。永遠が過 ぎる。何も覚えてはいない。《私はあなたが好きで気が狂いそうなの》髪の毛は徐々にのびた。若い男達が彼女を丸坊主にしたのだ。彼女の死んだ恋はフランス の敵なのだ。《怖いわ》女はふるえだす、《あれだけの愛情を忘れてしまうのは》ロワール河の橋で彼とあい一緒に出発するはずだった。着いた時、まだ彼は息 があった。庭の誰かに撃たれたのだ。女は死骸のそばに一昼夜とどまった。その夜、ヌベールは解放された。--ある日、母が彼女を夜のうちパリへ発たせてく れた。翌々日パリに着くと、広島の名がすべての新聞に出ていた。その名は平和を意味していた。《あれから十四年も経ったのね》彼女は目覚めたようにいう。 ヌベールの話は夫にも話さなかった。《頭に剃刀をあてられると、人間の愚かさをはっきり知らされるものね。私はあの時間を生きたかったの》夜は更けてい、 二人は店を出た。彼は別れたくなかった。--彼女はホテルへ帰ったが、涙を流している。洗面台に顔を沈める...
クレジット
監督 (1)
俳優 (5)
映画製作・配給会社 (4)
- 製作代表 : Como Films, Argos Films
- 海外製作作品 : Daiei
- Film exports/foreign sales : Tamasa Distribution
- フランス国内配給 : Cocinor
クレジットタイトル詳細 (10)
- 製作代表 : Anatole Dauman
- Screenwriter : Marguerite Duras
- Directors of Photography : Sacha Vierny, Michio Takahashi
- 作曲家 : Georges Delerue, Gianni Fusco
- 監督補佐 : Jean Léon
- Editors : Anne Sarraute, Jasmine Chasney, Henri Colpi
- 録音技師 : Pierre Calvet
- 原作者 : Marguerite Duras
- 撮影技師アシスタント : Jean-César Chiabaut, Denys Clerval
- スクリプト : Sylvette Baudrot
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技術面詳細
- タイプ : 長編映画
- ジャンル : フィクション
- サブジャンル : ドラマ
- 言語 : フランス語
- 出身 : フランス, 日本
- Original French-language productions : はい
興行収入・公開作品
ニュース&アワード
ニュース (2)
映画祭でのセレクション (14)
受賞 (1)
About
二十四時間の情事(にじゅうよじかんのじょうじ)は、アラン・レネ監督、マルグリット・デュラス脚本の被爆地広島県広島市を舞台に第二次世界大戦により心に傷をもつ男女が織りなすドラマを描いた、日本・フランス合作映画である。フランス語の原題は「ヒロシマ・モナムール」(Hiroshima, mon amour)で、アラン・レネ監督の第1回長編劇映画作品である。日本での邦題は当初「ヒロシマ、わが愛」だったが、公開時に「二十四時間の情事」へ変更された。ただし近年では日本においてもヒロシマ・モナムールと紹介される場合もある。
Source : Wikipedia.