あらすじ
ヨーロッパのどこか、初夏…。炭酸飲料の生産工場でチェーン作業するイリスはある午後、仕事中の事故により薬指の先を失う。彼女は工場を辞め、旅立ちを、航海を夢見て隣町の港に行く。新しい仕事を探しに行き、船での職につこうとするがうまくいかない。町で知る人もなく、イリスは港からそれほど遠くない小さいホテルに駆け込む。ホテルの主人は港で夜間働く漁師とたった一つ残っている部屋を共有することしか提案できない。イリスは夜は彼女、昼は漁師が使う、というこの案を受け入れる。彼女は町をさまよい、埠頭ですれ違った若い男の後を追い、船で町の別な地区に行き、少々荒廃した3階建ての建物にたどり着く。そこには小さな募集広告。『従業員募集-標本作製補助-経験、年齢問わず-呼び鈴押すべし』イリスは呼び鈴を押す。壮年の男が彼女を迎えて顧客接待と標本準備のアシスタントを探している、と言う。特別な分野の研究所で働いているのは彼一人。それでも昔女子寄宿舎だった建物の元借家人である二人の老婆が階に暮らす。男はイリスに標本の意味を説明する。人々が捨てるために、それでもどこかで保存しておいてほしいという願いから持ち込む、あらゆるジャンルのオブジェ。彼の役割はそれらを剥製にしながら保存することにある。当惑しながらも仕事を引き受けるイリスだが、すぐこの男に、彼女への視線に圧倒され、まもなく二人の間には特別な関係が成り立つ。イリスは部屋を共有する若い女と会ってみたい漁師とすれ違うことなく、ホテルと研究所を往復する。ある日漁師は彼女にメモを残す。出航前にお会いしませんか。だがイリスは好奇心や困惑を感じたにもかかわらず、待ち合わせには向かわない。イリスは謎の多い研究所の男にあまり問うことなく仕事を続ける。男がイリスを秘密の休憩場所、研究所の浴室に招くとき、二人の関係は違った側面を見せる。そこで、男はイリスに一組のパンプスを渡し、絶対に脱がないでくれ、と請う。彼は徐々に、強制することなしにイリスの中に隷属を生み出す。それにより、彼女は前から決まっていたかのような儀式のうちに身をゆだねる。二人の間のこのゲームに悦びを見出すイリス。彼女は二人を結びつけること以外何も知らないこの男との関係に、進んで心を奪われる。彼女はどこまでこの愛を体験しようと言うのだろうか。生贄になるまで?
クレジット
Director (1)
俳優 (16)
映画製作・配給会社 (5)
- 製作代表 : Les Films du Veyrier
- 共同製作 : The Bureau
- 海外製作作品 : Integral Films
- Film exports/foreign sales : Pyramide International
- フランス国内配給 : Memento Distribution
クレジットタイトル詳細 (19)
- 製作代表 : Bruno Berthemy
- Screenwriter : Diane Bertrand
- フォトディレクター : Alain Duplantier
- 作曲家 : Beth Gibbons
- Assistant director : Sonia Larue
- Editor : Nathalie Langlade
- Sound recordists : Laurent Zeilig, Alexandre Widmer, Vincent Arnardi
- Costume designer : Pascaline Chavanne
- Foreign producers : Alfred Hürmer, Dagmar Jacobson
- 原作者 : Yoko Ogawa
- 共同製作 : Bertrand Faivre
- Production manager : Bénédicte Mellac
- 報道担当(映画) : Laurence Granec
- 音声編集担当 : Alexandre Widmer
- Assistant editor : Clotilde Tellier
- スクリプト : Bénédicte Kermadec
- 装飾 : Thierry François
- フランスの配給会社 : Alexandre Mallet-Guy
- サウンド・ミキサー : Vincent Arnardi
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技術面詳細
- タイプ : 長編映画
- ジャンル : フィクション
- サブジャンル : 人生ドラマ
- テーマ : 愛
- 言語 : フランス語
- 出身 : フランス, ドイツ, イギリス