あらすじ
南フランスの軍港ツーロンの町にある何んでも屋「港百貨店」の主人ヴィクトル氏は、町の人々に尊敬され親しまれている善良な市民であり、家庭にあっ ても良き夫であった。特に今日は妻のマドレーヌが長年待っていた赤ちゃんを生む。ヴィクトル氏は有頂天ではしゃぎ廻っていたが、実はこの町の人気者は、一 皮むくと思いもよらぬ悪党の二重人格者だった。今日も教会が襲撃されて番人は殺され、貴重な宝物が盗まれたというニュースが町の人々を驚かせたが、間もな くヴィクトル氏の店へ商人と名乗った三人の男が訪れた。ヴィクトル氏は蔵の中で彼等から、教会の什物を安く買いとった。これが彼の裏面の正体なのである。 三人の中の一人はアメデと称する男で、彼は靴屋の浮気な女房アドリエンヌにつきまとって、亭主のバスティアンと口論をした。夜になるとアメデはヴィクトル を誘い出して、纏った金を貸せと脅迫した。争っているうちにヴィクトルは持っていた靴製造用の錐で相手を刺した。貧乏な靴屋の子供が、錐を玩具に遊んでい るのを見たヴィクトルが可哀相に思って立派な玩具とかえてやったのである。アメデの屍体の側にあった錐のため、バスティアンは殺人犯として刑務所に収容さ れた。そして七年の歳月が流れた。その間にバスティアンの受け取った唯一の便りは、妻の請求した離婚が許可になった証書だけだった。アドリエンヌはアメデ の仲間だったロベールと結婚したのである。我子を一目見たさにバスティアンは脱獄して遥々とツーロンへ辿りついた。雨の夜にパッタリ出会ったのはヴィクト ル氏である。彼は顔を知らないマドレーヌには外国人部隊を脱走した友人だと偽って、バスティアンを家にかくまった。訳を知らないバスティアンは、ただ夫婦 の親切に感謝するのみである。ヴィクトルの計らいで我が子の姿も垣間見ることができた。しかし彼は何時しかマドレーヌに深い愛着が湧いて来るのを、どうし ても制しえなかった。ロベールはバスティアンに懸けられた賞金欲しさにヴィクトルを訪れて脅迫したが、彼は平然として真実を語り、自分が捕らえられればお 前も共犯になると逆に相手を脅した。その時警官が邸内に入って来た。マドレーヌに言い寄った事を恩人に対して申し訳なく感じたバスティアンは、自ら警官の 前に進み出て逮捕されたが、それを見ていたロベールはさすがに無実の人が捕縛されるのを見るに忍びず、大声を挙げ...
クレジット
監督 (1)
俳優 (18)
映画製作・配給会社 (4)
- 海外製作作品 : UFA
- Film exports/foreign sales : Pathé Films
クレジットタイトル詳細 (9)
- Adaptation : Charles Spaak
- Screenwriters : Albert Valentin, Charles Spaak
- Dialogue Writers : Charles Spaak, Marcel Achard
- フォトディレクター : Werner Krien
- 作曲家 : Roland Manuel
- 監督補佐 : Louis Daquin
- 録音技師 : Antoine Archimbaud
- 製作部長 : Raoul Ploquin
- 装飾 : Willy Schiller
技術面詳細
- タイプ : 長編映画
- ジャンル : フィクション
- サブジャンル : ドラマ, 心理劇
- 言語 : フランス語
- 出身 : ドイツ, フランス
- Original French-language productions : 不明
興行収入・公開作品
テレビ放送
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