4800万人-1年間の動員数初予測
2003年1月から11月の11ヶ月間に、フランス映画はフランス国外で推定3700万の入場数、興行収入にして2億5百万ユーロを記録しました(27カ国の比較可能なサンプル集計結果)。
この予測から、2003年12月時点の2003年一年間の入場数は4800万、約2億4千万ユーロの映画館興行収入が推算されます。
フランス映画にとって4800万人という数字は、素晴らしい記録を残した2001年(6000万人)、2002年(5500万人)よりは劣るものの、1995年から2000年の平均を上回っています。
2002年の同時期、同ゾーンでみると、フランス映画は入場数4220万、興行収入にして2億3300万を記録していました。
よって2002年と2003年では、入場数、興行収入共に12%のダウンとなっています。
まず考えられる要因としては、本年度映画館動員数において、国によって8%から15%の減少が見られるヨーロッパ市場の全体的な動向が挙げられます。ヨーロッパ(総入場数の50%)での結果は、フランス映画に大きい影響を及ぼします。そのため一時的なものであろうこの後退は、特にフランス映画の結果に影響を与えています。
しかしながらフランス映画に関しては、その変動は国ごとに大きな差があります。傾向としては、ヨーロッパ近隣大国において明らかな後退が見られます。ドイツ
(-48%)、イタリア (-54%)、スペイン(-20%)、ベルギー (-11%)、スイス (-48%)。一方フランス映画がますます好成績を残しつつあるアメリカ(安定)、日本(+113%)、ロシア(+20%)といった国、同様にイギリス(+166%)での結果により、この後退は部分的にカバーされています。
第二の要因として、2003年は若い観客層向けで成功した作品、すなわち商業的に非常に成功した作品の数が減少した一年だったと言えます。実際、2002年では、世界的に100万ユーロの収入を超えた作品は29本を数え、合計興行収入は2億2200万ユーロを記録しました。一方2003年では、わずか22本、計1億8600万ユーロとなっています。メジャー映画における3600万ユーロの差が、(入場券の価格上昇により、 後退は押さえられていますが)現時点で約2800万ユーロという興行成績の後退に繋がっているのです。
地域的分布の理由
成功した作品数の減少に相応し、スターの座は特に英語によるフランス映画3作品、Polanski作「Le Pianiste (戦場のピアニスト)」、Francois Ozon 作「Swimming Pool (スイミングプール)」、そして Louis Leterrier 作「Le Transporteur (トランスポーター)」に返り咲いています。これらの作品の北米における成績により、統計に活気が付きました。トップ5では加えてアジア、東欧で成功した「Taxi 3」、世界的に成功を収めた「Le Peuple migrateur(WATARIDORI)」が挙げられます。これらの作品は芸術面でも素晴らしいため、英語圏およびアジアでの大盛況がもたらされ、結果としてヨーロッパでの一時的な後退が見られたと言えるでしょう。
2004年に予測される展開
世界市場は数年来、フランス国内市場と約6ヶ月の差を持ちながら相応する動きを見せています。このことから、フランス映画の外国における成績は、上半期に国内での公開が待たれるフランス映画、その世界公開が始まる2004年上半期終了時に好調を取り戻すと予想されます。
2004年1月以降、少なくとも世界の10地域で35作品の公開が待たれています。2004年度上半期注目作:Francois Ozon 作 「5x2」、Frederic Schoendoerffer 作 「Agents secrets」、Catherine Breillat 作「Anatomie de l’enfer」、 Jan Kounen 作「Blueberry」、Agnes Jaoui 作「Comme une image」、Patrice Leconte 作「Confidences trop intimes」、Philippe Haim 作「Les Dalton」、Louis Leterrier 作「Danny the Dog」、Jean-Jacques Annaud作 「Deux freres」、Julien Seri 作「Les Fils du vent」、Enki Bilal 「Immortel」、Anne Fontaine 作「Nathalie」、Olivier Dahan 作「Les Rivieres pourpres 2」、Alain Chabat 作「RRRrrr…」、Eric Rohmer 作「Triple agent」 等。
そしてもちろん、2003年に既に世界公開の始まった作品群の快進撃は続きます:Coline Serreau 作「18 ans apres (赤ちゃんに乾杯!18年後)」、Costa Gavras 作「Amen (アーメン)」、Cedric Klapisch 作 「L’Auberge espagnole (スペインの宿)」、Jean-Paul Rappeneau 作 「Bon Voyage」、Jean-Claue Brisseau 作 「Choses secretes (ひめごと)」、Pascal Morelli 作「Corto Maltese (コルト・マルテス)」、Daniele Thompson 作 「Decalage horaire(シェフと素顔と、おいしい時間)」、Julie Bertuccelli 作 「Depuis qu’Otar est parti(仮題:オタールが発ってから)」、Alexandre Aja 作「Haute tension (ハイ・テンション)」、Yann Samuell 作「Jeux d’enfants」、Chris Delaporte と Pascal Pinon 作「Kaena, la prophetie (ケイナ ザ・プロフェシー)」、Louis-Pascal Couvelaire 作「Michel Vaillant (ミシェル・ヴァイヨン)」、Philippe Muyl 作「Le Papillon (パピヨンの贈り物)」、Alain Resnais 作「Pas sur la bouche (仮題:頬にキスして)」」、Michel Boujenah 作「Pere et fils (仮題:父と子)」、Claude Miller 作「La Petite Lili (可愛いリリィ)」、Jacques-Remy Girerd 作「La Prophetie des grenouilles (仮題:カエルの予言)」、Gilles Marchand 作「Qui a tue Bambi ? ( 誰がバンビを殺したの?)」、Claude Zidi 作「Les Ripoux 3 (フレンチ・コップス3)」、Francis Veber 作 「Tais-toi (ルビー&カンタン)」、Sylvain Chomet 作 「Les Triplettes de Belleville (ベルビルのランデブー)」等。
統計の集計方式
Unifrance はCNC(フランス国立映画センター)の定義するところのフランス映画に関し、その成績を考慮します。これらの結果はフランス以外の国において集計されます。2002年、2003年の比較については、算定用サンプルは27カ国のみ (ドイツ、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、デンマーク、スペイン、アメリカ、フィンランド、ハンガリー、イタリア、日本、レバノン、メキシコ、ノルウェー、オランダ、ポーランド、チェコ共和国、ルーマニア、イギリス、ロシア、スロバキア、スロベニア、スイス、ユーゴスラビア)から選ばれており、いずれも過去の集計結果が存在し、成績の比較が可能な国が選出されています。
映画のチャートに関して、2003年に発表された数値は1月1日から11月30日の間に集計されたものです。2002年に公開を開始した作品に関しては、補足として完全な記録が紹介されています。
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