ドンブ地方の沼沢地の領主、ポンスリュドン(シャルル・ベルリング)は不潔で疫病の元凶である沼の干拓計画を陳情するため、ヴェルサイユへやってき た。彼は追剥に襲われ意識を失うが、ベルガルド侯爵(ジャン・ロシュフォール)に救われる。宮廷の過酷さを知り尽くしたベルガルドはポンスリュドンに無駄 なことはやめて故郷に戻るように言うが、宮廷のサロンで、ポンスリュドンの卓越した機知に気づき、彼の後見人になる。宮廷の実力者バイヤック伯爵夫人 (ファニー・アルダン)は機知に富んだ会話術の名手、愛人のヴィクール司教(ベルナール・ジロドー)と互角に渡り合ったこの青年に魅力を感じる。ベルガル ドの娘マチルド(ジュディット・ゴードレシュ)は科学の研究に熱中し、その研究費を得るため年老いて裕福なモンタリエリ(ベルナール・デラン)と婚約して いる。ポンスリュドンと彼女は互いに魅かれあう。とあるサロンの即興詩のゲームで、ポンスリュドンはヴィクールとバイヤック夫人のイカサマを見抜くが、公 にはしないと夫人に約束。バイヤック夫人の影の援助で、彼に国王への謁見がかなう。だがヴィルクールのために夫人は今度は彼を陥れようと画策、ポンスリュ ドンはその罠にはまって機知の競い合いで恥をかいてしまい、傷心のまま故郷ドンブに戻る。そこでは熱病にまた多くの農民が命を落としている。ヴィクールは 国王の御前で神の存在を論証して喝采を浴びるが、その直後の機知に富んだ一言が王の不興を買ってしまう。失墜した愛人を見捨てたバイヤック夫人はポンス リュドンを呼び出す。夫人の新たな愛人になったポンスリュドンは、その助力でついに国王の取り巻きの一員になった。だがてっきり結婚したと思っていたマチ ルドが彼のために婚約を放棄していたことを知り、その心は複雑だ。彼は宮殿の大砲の技術改良を口にしたため、近衛砲兵隊の大佐(ジャック・ロマン)と決闘 することになる。バイヤック夫人は彼を逃がすよう画策するが、ポンスリュドンは決闘に勝利したあと、マチルドと共に去った。夫人は復讐を誓い、田舎から来 た成り上がり者のポンスリュドンを嫌う宮廷貴族たちと、秋の仮面舞踏界で彼を罠にはめる。公の場で面目を潰されたポンスリュドンは、こんな貴族たちの愚劣 な行いの影でどれだけ民衆が苦しんでいるかを訴え、マチルドと共に宮廷を去った。数年後、1793年。革命で貴族たちは亡命を余義なくされた。ベルガルド はイギリスの貴族の家で家庭教師になる。その頃、フランスに残ったポンスリュドンとマチルド夫妻の尽力で、憲法制定会議はドンブの干拓工事を開始した。
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