地中海に面したアルジェリアの港町。ジャン(M・ポレル)とカトリーヌ(C・セリエ)は、町はずれのアパートで二人だけの青春をエンジョイしてい た。ジャンには定職がない上、盗みの前科があったが、カトリーヌは気にしなかった。ある日仲間のトーマ(M・クーデルク)と、サーカス団で働くカール (M・メラブティーヌ)が集まり、カールが働くロペス・サーカスを襲って売上金を奪った。金は三分され、ジャンは地に埋めた。しかし、団長の証言によっ て、彼の身元はたちまち割れ、挙げられた。刑事たちの手荒い取調べが始まり、家宅捜索が行われたが、ジャンは頑張った。主任刑事のミュレ(P・ノワレ)と ボレリ刑事(R・アナン)は、策略をめぐらし、カトリーヌに結婚を勧めた。拘置所の囚人の結婚は前例がないと難色を示した市長(M・アドバーティ)も、し ぶしぶ承知した。式後カップルはすぐ夫婦のちぎりを結ぶ、これが土地の習わしだった。ジャンは手錠をはめられたまま別室へ導かれた。二人だけになるのは 五ヵ月ぶりのことだった。しかし、二人が結ばれようとした瞬間、突然ミュレとボレリが入って来た。花嫁の肉体をエサに、刑事はジャンに犯行の自白を迫っ た。この非劣な手段に反抗したジャンだったが苛酷な暴力の前に屈せざるをえなかった。言われるままに供述書にサインし、とにかくこれでカトリーヌに会える と思った。しかし、それでも彼女には会えなかった。刑事たちは、人相写真を幾つかならべ、更に共犯者を吐けと迫った。ジャンは、仲間だけは売るまいと思っ た。それはカトリーヌも同じだった。男女のうめき声や悲鳴が部屋の外まで聞こえ、たまりかねた市長は主任刑事のミュレに面会を求めて厳しく抗議した。刑事 たちは取調べを打ち切った。ジャンは拘置所へ戻った。一足おくれて市役所をでようとした両刑事は、けたたましく彼らを呼ぶ声にギクッとした。後に残された カトリーヌが、ガラスの破片で腕の血管を切ったのだ。
Source : movie.goo.ne.jp