カーボベルデでは全ては歌に包まれる。結婚、葬式、出会い、別れ、選挙に開会式。
若いヴィタだけは歌ってはいけない。彼女の家では歌おうとする女には死が待っている、という先祖から伝わる言い伝えがあるのだ。ヴィタは勉強を続けるためにフランスへ旅立つのだが、その前に彼女は母親の前で誓いを繰り返す。絶対どんな小さなメロディーも口にしません。
パリでヴィタは若いミュージシャンのピエールと出会い、恋をする。嬉しさのあまり、少しだけ口ずさんでしまうヴィタ、素晴らしい声の持ち主だ。
魅了されたピエールはヴィタを説得し、CDを制作する。だが呪いに逆らってしまい、ヴィタは恐怖に怯えて、国に帰ることに決める。母親に自分がしたことを告げて伝統の束縛に立ち向かうためだ。
ピエールの助けを借りて、ヴィタは自分の葬式と復活の豪華な祝祭を演出する。このようにして家族に、友人達に、国の人々に、勇気さえあればなんでもできることを示すのだった。