2001年7月、7才の少女マリア(フィリッパ・ド・アルメイ ダ)は母親のローザ=マリア(レオノール・シルヴェイラ)と一緒に、インドのボンベイにいる パイロットの父親に会うために地中海をめぐる船旅に出発した。歴史の教授であるローザ=マリアは、これまで本の中でしか知らなかった人類の歴史をその目で 確かめたかったのだ。ポルトからはじまり、マルセイユ、ポンペイの旧跡、アテネ、イスタンブールや、エジプトのピラミッド…。それは西洋文明に大きな影響 を残し続けている、幾千年にも渡る地中海文明を巡る遥かなる時空の旅だった。それらの軌跡を前に語られるオデュッセウスの物語や、ローマ神話のお話は、こ れまでマリアが知らなかった世界の物語だった。ある夜、マリアとローザは船のデッキの上で声をかけてきたアメリカ人の船長(ジョン・マルコヴィッチ )と 知り合いになり、夕食の席に招かれた。そこには起業家であるフランス人デルフィーヌ、元モデルのイタリア人フランチェスカや、舞台女優であり教授でもある ギリシャ人のヘレナといった、異なる国籍を持つ3人の女性が楽しく人生を語り合っていた。その人々は不思議なことに、それぞれが自国の言葉を話していた。 お互いがお互いの話す言葉を理解している。まるで世界には言語の壁という隔たりがないのではないかのように。マリアは船長がアデンで買った可愛い人形をプ レゼントされた。やがてその人形は、マリアにとって片時も離れることの出来ない宝物となっていく
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