〔第一話・エンマ伯母〕戦中故国をはなれて収容されていたエンマ伯母は重病を得て帰国した。留守中へ親類一同は彼女が死んだことと思って財産を処分 してしまっていたので大いに驚いたが、ガストン伯父(B・ブリエ)が一同を代表して、財産分配を承諾させることになった。瀕死の病床につめかけた人々は、 やせおとろえた彼女を抱き起してサインをとると、意気揚々引きあげて行く。〔第二話・ジラアル〕捕虜収容所から脱走をくわだてて負傷したジラール(L・ ジュヴェ)は、戦後昔のアパートに帰って来たが、周囲になじめなかった。或夜、一人のドイツ人(J・デスト)が警官に追われて深手を負い、彼の部屋に逃こ んで来た。ジラールははじめ彼を警官の目からかくしてやったが、彼が占領下のフランス人を苦しめた張本人であることを知ると、アパートの医者を警官のもと へ走らせた。その留守、ジラールは苦しむドイツ人にモルヒネの致死量を注射、かけつけた警官は、死体の傍らに立ちつくすジラールをみた。〔第三話・ルネ〕 ルネ(ノエル・ノエル)は捕虜一万五千号として、帰国早々大歓迎をうけた。しかし出征中妻君は男と逃げてしまい、昔のアパアトは三人の子持の未亡人に占領 されていた。ルネは八方住宅を探しまわったがうまく行かず、ついに未亡人と結婚して住宅と家庭とをもてばいいという結論に達した。〔第四話・ルイ〕ドイツ 捕虜収容所にいた時ルイ(S・レジャニ)はドイツ娘のエルザと結婚した。連立って田舎の家に復員すると、ドイツ人を嫌う村人の目は予想以上に冷たく、エル ザは思いあまって池に身を投げた。驚いた村人は救いにかけつけ、はじめて狭量をさとつた。ルイの家にはかくて幸福が訪れる。
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