数学にはいつだってうんざりさせられてきた。数学ができないのは、変えることのできない運命だ。とにかく、数学なんて、大嫌い!
数学が世の中でこれほど重要な分野でなければ、笑い飛ばすこともできただろう。しかし、アップルにしても、グーグルにしても、ゴールドマン・サックスにしても、今や世界はアルゴリズムと数式でできていると言っても過言ではない。世界を動かしているのは数学だというのに、どうして人々から愛されていないのだろう? 2010年のフィールズ賞受賞者セドリック・ヴィラニをはじめ、著名な数学者たちが、世界のあらゆる国を訪問する様子を追い、数学がどのようにして世界をよりよく変えてきたか…、そしてときに悪化させてきたか(!?)を明らかにしてゆく。