あらすじ
ハワードは、"記憶喪失の発作が度々起きて、自分が何をしでかすか不安だ"、"そばにいて欲しい"、とエラリイに懇願する。その要請を受け、ライツヴィルのヴァン・ホーン邸宅にやって来るエラリイ。
そこには、ハワードの父ディードリッチ、若き義母サリーたちが同居していた。
エラリイが滞在する9日間に脅迫事件が発生。ハワードとサリーの関係が暴露され、不吉な予兆の中、ついに殺人が!
そして10日目、遂に驚愕の事実が明らかになる…!
Source : blogs.dion.ne.jp
クレジット
監督 (1)
俳優 (11)
映画製作・配給会社 (3)
- Film exports/foreign sales : Artedis
- フランス国内配給 : Parafrance
クレジットタイトル詳細 (20)
- Screenwriters : Paul Gegauff, Eugène Archer, Paul Gardner
- フォトディレクター : Jean Rabier
- 作曲家 : Pierre Jansen
- Assistant directors : Michel Dupuy, Patrick Saglio
- 編集担当 : Jacques Gaillard
- 録音技師 : Guy Chichignoud
- Costume designer : Karl Lagerfeld
- 原作者 : Ellery Queen
- プロデューサー : André Genoves
- 音声アシスタント : Gérard Dacquay
- 撮影技師アシスタント : Raymond Menvielle, Janine Rabier
- 撮影技師 : Charles-Henri Montel
- 製作部長 : Irénée Leriche
- 編集アシスタント : Jean-Claude Groussard
- スクリプト : Aurore Chabrol
- Foley artist : Louis Devaivre
- 美術装飾 : Guy Littaye
- サウンド・ミキサー : Alex Pront
- スチールマン : Roger Corbeau
- Location managers : Arlette Danis, Patrick Delauneux
技術面詳細
- タイプ : 長編映画
- ジャンル : フィクション
- サブジャンル : 心理ドラマ
- 言語 : フランス語
- 出身 : フランス, イタリア
- Original French-language productions : 不明
興行収入・公開作品
テレビ放送
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ニュース&アワード
About
『十日間の不思議』。これはほどよい具合に力の抜けた優雅なシャブロル、ではなく、恐らく原作(エラリー・クイーン)に対するシャブロルの憑きモノのような執念がビザールな形として表出してしまった怪作。素晴らしいと思います。アンソニー・パーキンス、オーソン・ウェルズ、ミシェル・ピコリ、マルレーヌ・ジョベール、とオールスターキャストで綴る家庭内サスペンス。ちょっと風変わりの素晴らしい撮影はシャブロル映画で御馴染みの名手ジャン・ラビエ。撮ることの楽天性が画面から伝わってきます。シャブロルとの無邪気な共犯ともいえる。
緩やかにズームしたり一気に引いたりを織り交ぜながらのグルングルンに動き回るカメラは、ちょっとトバしすぎじゃないだろか?と心配になるほど早い息で進むこの作品の、まことしやかな幻想シーン過去シーンとの往来にすごく合っている(ワンショット毎に時制がポンポンと移り変わっていく箇所も多々!)。アンソニー・パーキンスが血だらけの両手首をそれぞれ二つの蛇口(最初、鏡への映りこみだと思った)で洗い流す冒頭のシーンから奇妙なのですが、カメラが斜めったり横になったりの構図がさらに不安を煽る。主人公は記憶障害で、忘却された己の記憶に絶えず不安を抱えている。何度も登場する湖の透明度の不気味さもさることながら、一日の終わりでは必ず何処か濁ったような不安定なフェイド・アウトが用いられる。
恐ろしいシーンがいくつかある。オーソン・ウェルズの母親が出てくる幻想シーンがひとつ。まるで血の気の引いたその顔のアップはラストのウェルズへと受け継がれる。蒼ざめた顔と充血した目の下のラインが強烈。夜中に逃亡したアンソニー・パーキンスをミシェル・ピコリが車で追うシーン。疾走する車のヘッドライトが道路に反射して危険きわまりない。不安定な運転の中、深い闇の後部座席から銃を突きつけられるピコリ。マルレーヌ・ジョベール殺害シーン。物音一つさせない殺害。ドアの枠やジョベールの首筋、姿勢(ジャケット参照)、ハッとさせる編集がキマる。そして罪を着せられたアンソニー・パーキンスが彫像を破壊するシーン。カメラは彫像の逞しい筋肉を舐めるように足元へそしてパーキンスの足元へと向かう。何かゴリゴリと重い摩擦音がして凶器の影が映り破壊は始まる。彫像はその逞しい腹筋を折って真っ二つに崩れ落ちる。
このパーキンスがそうであるように、シャブロルが残酷な神に支配された作品。傑作!
Source : d.hatena.ne.jp