35歳のゾルグ(ジャン・ユーグ・アングラード)は海辺の小さな村でバンガロー500軒の壁面にペンキを塗って生 計を立てていた。そんな彼の前にキュートな女ベティ(ベアトリス・ダル)が現われ、たちまち激しい恋に陥った。ベティはウェイトレスをしていたが、マス ターがイヤで、カバン一つでバンガローにやってきたのだった。ゾルグの雇い主(クロード・コンフォルト)は、ベティを迷惑がり、彼女の方も彼を嫌った。く る日もくる日も単調なペンキ塗りで過ぎてゆくことに耐えられなくなったベティは、ヒステリーを起こして家具や食器を外に投げつけてしまう。その時に段ボー ル箱に入っていたゾルグの日記風の小説を発見し、徹夜で読んだベティは、すっかり感動、彼に小説家になることをすすめる。その時からベティのゾルグを見る 目が変わった。遂にベティが雇い主とケンカし、バンガローにガソリンをまき火をつけてしまう。パリに向かった2人は、ベティの親友リサ(コンスエロ・デ・ ハヴィランド)の家にしばらく住むことになった。そこでベティは、ゾルグの肉筆の原稿をタイプし出版社に送るために毎日タイプライターに向かう。リサの恋 人エディ(ジェラール・ダーモン)とすっかり意気投合したゾルグは、エディの経営しているピザの店“ストロンボリ”でベティと共に働くことになった。出版 社から返事がこないのでイラついたベティは、やっときた返事が冷酷だったため、それを書いた編集者を傷つけてしまう。やがてエディの母が死んだという電話 が入り、みなはエディの故郷に向かった。静かなその小都市でしばらく自然の空気に触れた2人は、その家でしばらく生活することになる。ゾルグは新しい小説 を書き始めた。平穏でしあわせのはずの2人の生活は、しかし、微妙に崩れはじめていた。ベティの神経が病んできたのだ。彼女は妊娠テストを受けて、子供の 生まれるのを楽しみにしていたが、ある日ゾルグが帰宅すると、妊娠テストの結果が陰性で子供はできないと書かれた医者のカルテを発見した。激しいショック を受けたベティは、ピエロのような化粧をし目もうつろになった。その日からますます狂い出したベティはついに自分の目をえぐるという惨事をまねいてしま う。虚脱状態のまま廃人同然となった彼女。その直後、皮肉にもパリから電話で例の小説を印税10%の契約で出版したいと言ってきた。やっとツキが回ってき たのにベティにそのことを報告しても反応はない。ベッドに縛りつけられたまま身動きできずにいる彼女に耐えられなくなったゾルグは、女装して病院に行き、 枕を顔に押しあてて彼女を窒息死させる。ゾルグは再び小説を書き始めた。彼のことをじっと見つめているのは、2人で可愛がっていた猫だ。どこからともなく ベティの声が、ゾルグには聞こえた。
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