フランスでは2014年12月10日に一般公開となっている、アブデラマン・シサコ監督の新作「Timbuktu / ティンブクトゥ(原題)」が、アカデミー賞外国語作品部門にノミネートされました。
イスラム武装勢力に制圧された街、トンブクトゥ(西アフリカ、マリ北部)の日常を描いた作品「ティンブクトゥ」。フランス-モーリタニア合作のこの作品が、2015年オスカー 部門にノミネートされました。監督のアブデラマン・シサコは、これは「アフリカの未来を象徴する大きな出来事」であると述べました。
「このニュースを聞いた時、言葉にならない気持ちが溢れた。監督として栄誉なことであり、モーリタニアとアフリカに対して大いなる敬意が払われた、象徴的な出来事である。」 AFP通信の取材に対して、シサコ監督はこのような言葉を綴った文書を送りました。
「愛と平和と正義という、人間にとって普遍的な価値を守るために、異なる国の男女が団結して、情熱と信念を懸けて取組んだ作品が、ここに評価されたのです。」また、シサコ監督は、「アカデミー賞の評価は、「ティンブクトゥ」のような多国的映画が、世界で大きく認められるための道を拓いた」と、深い感銘の意を表わしています。
「ティンブクトゥ」は、モーリタニアからは初めて、アカデミー賞外国語映画賞候補に挙がった作品です。他には、ゴールデングローブ賞外国語映画賞に輝いたロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ監督「Leviathan(原題)」、ポーランドのパベウ・パブリコフスキ監督「イーダ」、アルゼンチンのダミアン・ジフロン監督「ワイルド・テイルズ(英題)」などがノミネートされており、共にオスカーを競います。
AFP通信によれば、シサコ監督は、アカデミー賞で受賞することは、「アフリカにとってなによりの勝利の証しになる」と明かしたということです。
© サラ・ドゥルオー (フランス語記事)