あらすじ
モーリス(セルジュ・レジアニ)は出所以来四月、服役中に妻を失ったが今は新しい女テレーズ(モニーク・エネシー)もでき、次の仕事決行の日も近づ いたある日、ジルベール(ルネ・ルフェーヴル)を訪ね、妻を殺した男と確信して射殺し、彼の宝石店強盗の宝石類を奪い、近くの空地にそれを埋めた。仕事の 日、親友のシリアン(ジャン・ポール・ベルモンド)の用意してくれた穿孔器を持ってレミーと二人である街の大邸宅に押入った。だが、警官隊の包囲作戦をう け、レミーは殺され、彼も一弾をうけた。シリアンがテレーズから暴力で仕事先を聞きだし密告したのだ。モーリスはシリアンがいぬ(情報屋)だという噂を信 じざるを得なかった。そしてテレーズが崖から自動車で墜落死をとげたと知り、自分を狙う黒い手のあることに愕然とした。彼はクラン警部(ジャン・ドザイ) に逮捕され、シリアンの裏切りを信じ、復讐を誓って入獄した。一方シリアンは、例の広場から宝石と札束を掘り出し、ジルベールの仲間ヌテシオ(ミシェル・ ピッコリ)の経営するナイトクラブへ。そこで、かつて彼と関係がありいまはヌテシオの情婦になったフェビアンヌ(フェビエンヌ・ダリ)とヨリを戻した。彼 は女にジルベール殺しはヌテシオだと決めつけた。確かに、犯行直後に車で乗りつけていたのは彼女とジルベール一味だった。そしてヌテシオとその部下アルマ ンを相打ちの形にし、宝石類を金庫に入れ、分け前のもつれで殺しあったようにみせかけた。いぬは何とテレーズだった。シリアンはテレーズから強盗現場を聞 き出し倒れていたモーリスを救ったのだった。さらにテレーズを殺し、ヌテシオらにモーリスの罪を着せるための細工であった。モーリスは彼の友情を知り、自 分を恥じた。獄中で憎悪のあまり同房の男にシリアンの家で彼を殺すことを頼んでいた。知らずにシリアンは帰ってゆく。知らせるためにモーリスは雨のハイ ウェイをシリアンの彼を追い、迂闊にも追い越し、間違って自分が射たれた。一足遅れて帰ってきたシリアンも、相打ちで空しく倒れた。
Source : movie.goo.ne.jp
クレジット
監督 (1)
俳優 (19)
映画製作・配給会社 (4)
- 製作代表 : Rome-Paris Films
- 海外製作作品 : CC Champion
- Film exports/foreign sales : Tamasa Distribution
- フランス国内配給 : Lux Compagnie Cinématographique de France
クレジットタイトル詳細 (17)
- Adaptation : Jean-Pierre Melville
- シナリオライター : Jean-Pierre Melville
- フォトディレクター : Nicolas Hayer
- 作曲家 : Paul Misraki
- Assistant directors : Volker Schlöndorff, Charles Bitsch, Michel Lang
- Editor : Monique Bonnot
- 録音技師 : Julien Coutellier
- 原作者 : Pierre Lesou
- Producers : Carlo Ponti, Georges De Beauregard
- Sound assistants : Jean Gaudelet, Victor Revelli
- 撮影技師アシスタント : Etienne Rosenfeld, André Dubreuil
- 撮影技師 : Henri Tiquet
- 製作部長 : Georges De Beauregard
- 編集アシスタント : Michèle Boehm
- スクリプト : Elisabeth Rappeneau
- 美術装飾 : Daniel Gueret
- Location managers : Jean Pieuchot, Roger Scipion
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技術面詳細
- タイプ : 長編映画
- ジャンル : フィクション
- サブジャンル : 推理, フィルム・ノワール
- 言語 : フランス語
- 出身 : フランス (80.0%), イタリア (20.0%)
- Original French-language productions : はい
興行収入・公開作品
ニュース&アワード
映画祭でのセレクション (7)
About
新鋭推理作家ピエール・ルズーの同名の小説からわが国には初めてながら、名匠のジャン・ピエール・メルヴィルが脚色、演出もした暗黒もの。撮影は、 ニコラ・エイエ、音楽はポール・ミスラキが担当した。出演者は「大盗賊」のジャン・ポール・ベルモンド。他にセルジュ・レジアニ、ジャン・ドザイ、ミシェ ル・ピッコリ、新人女優のフェビエンヌ・ダリ、モニーク・エネシーら。
Source : movie.goo.ne.jp
ジャン=ピエール・メルヴィルの7本目の長編である『いぬ』は1962年に製作され、ヌーヴェル・ヴァーグの映画のプロデューサーであるジョルジュ・ドゥ・ボールガードによって出資されており、メルヴィルのキャリアの中でも分岐点となる作品である。『いぬ』とはここでは、ベルモンドが被っている帽子を意味するのみならず、友人を敵に引き渡す裏切り者を意味している。アメリカの犯罪映画へのオマージュでもある本作で、メルヴィルは、ジャンルの制約を越え、抽象的なフォルムへと進み、最終的に、シェイクスピア的悲劇を描いている。
Source : institut.jp