あらすじ
連合軍がフランスのノルマンディ上陸作戦を開始した一九四四年六月。フランス西部の農家の一人息子で十七歳のルシアン(P・ブレーズ)は、フィジアックの 町の病院で掃除夫として働いていたが、休暇で家に帰ってみると、家は人手に渡っていた。さらに、父はドイツ軍の捕虜となり、母は村長の情婦になっていた。 彼はレジスタンスに加わろうと思い、その隊長を訪ねたが拒絶された。ルシアンは再び病院に戻るためにフィジアックに向かった。その夜、ルシアンがホテルの 前でぼんやり立っていると、一人の男に声をかけられた。そこはナチのゲシュタポの本部でその手先きとなったフランス人たちが集まる場所だった。酒を飲まさ れたルシアンは尋問にひっかかり、村の模様をしゃべってしまった。レジスタンスの隊長である教師が逮捕されたのはその翌日だった。ルシアンは彼らの華やか な生活に憧れ、その仲間に加わった。ルシアンはゲシュタポの手先きとして、レジスタンスの地下運動にたずさわる人々の逮捕や、財産没収に参加した。ユダヤ 人の洋服屋オルン(H・ローウェンアドラー)の娘フランス(A・クレマン)と知り合ったのはそんなときだった。ある夜、ルシアンはゲシュタポの本部で催さ れたパーティーにフランスを連れていった。その帰り道、二人は結ばれた。だがオルンはフランスとルシアンの関係を認めず、ルシアンを中傷するために、ゲ シュタポの本部を訪れたが、逆にユダヤ人であることがばれ、ドイツへ送られてしまった。連合軍が徐々にフランス領土をナチの手から解放していった。そんな ある日、ナチは、レジスタンスのゲシュタポ本部急襲に対して報復検挙を開始した。ルシアンもそれに協力したが、その中にはフランスと彼女の祖母ベラ(T・ ギース)もふくまれていた。ルシアンには二人を見殺しにする他なかったが、ふとしたことでナチの卑劣さを見抜き、翻然と我にかえった。彼はフランスと祖母 を連れてスペインへ脱走する決意を固めた。国境に近い山間の空家にたどりついた三人は、そこで様子をみることにした。それはかつて体験したことのなかった 安らかな日々だった。山々には花が咲き乱れ、ルシアンとフランスはその中で子供のように遊び廻った。それは生まれて初めて体験する楽しさだった。だがそん な楽しい日々も束の間だった。ルシアンとフランスと祖母ベラの三人はやがてゲシュタポに捕えられ、処刑されてしまう。
Source : movie.goo.ne.jp
クレジット
監督 (1)
俳優 (16)
映画製作・配給会社 (5)
- Foreign production companies : Vides Cinematografica, Hallelujah Film
- Film exports/foreign sales : Gaumont
- フランス国内配給 : Cinema International Corporation (CIC)
クレジットタイトル詳細 (12)
- Screenwriters : Louis Malle, Patrick Modiano
- フォトディレクター : Tonino Delli Colli
- Assistant directors : Marc Grunebaum, Jean-François Dion
- Editor : Suzanne Baron
- 録音技師 : Jean-Claude Laureux
- Costume designer : Corinne Jorry
- Producers : Louis Malle, Claude Nedjar
- 撮影技師 : Patrice Wyers
- 製作部長 : Paul Maigret
- スクリプト : Sylvette Baudrot
- 美術部長 : Ghislain Uhry
- スチールマン : Pierre Zucca
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技術面詳細
- タイプ : 長編映画
- ジャンル : フィクション
- サブジャンル : ドラマ
- テーマ : 戦争
- 言語 : フランス語, ドイツ語
- 出身 : フランス, ドイツ, イタリア
- Original French-language productions : 不明
- 製作国 : 大部分フランス (フランス, ドイツ, イタリア)
- 製作年 : 1973
- フランス公開 : 30/01/1974
- 上映時間 : 2 時間 15 分
- 経過状況 : 公開済み
- ニュメロ·デ Visa : 41349
- ビザ発行日 : 07/01/1974
- CNC助成 : 不明
- 生産のフォーマット : 35ミリ
- カラータイプ : カラー
- 画面セット : 1.66
- Audio format : モノラル
興行収入・公開作品
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映画祭でのセレクション (2)
About
Dデー(第二次大戦中、連合軍がノルマンディに上陸作戦を敢行した日)直後のフランスの片田舎に展開する ナチとフランス・レジスタンスとの激闘に巻きこまれた若者とナチに追われるユダヤ娘との愛の逃避行とその悲しい終末を描いています。
’68年5月革命の後、政治と社会への関心を高めたマルは、ナチ占領下のフランスの田舎の青年を通して、 ユダヤ人差別とファシズムに翻弄される若者達を題材に”凡人に潜む悪”をテーマにした青春映画としてこの映画を撮りましたが、 後の、マルの自叙伝とも言われる入魂の傑作「さよな子供たち」につながる重要な作品でもあります。
主演者は、この映画製作のために、一般公募でマル自ら選出した17歳の若者ピエール・フレーズ、 パリのモデル出身の新星オーロール・クレマン。
町の病院で掃除夫として働く17歳の少年ルシアンは、 ナチズムに抵抗するレジスタンスへの協力を志願するが拒否される。
世間からのはみ出し者でしかなかった彼の失意は大きく、 その満たされぬ心を安易に正反対の方向への行動へと走らせ、ゲシュタポの手先になってしまう。
ゲシュタポの身分証明書ひとつで大人たちが彼の前に沈黙してしまうという現実に快感を覚えはじめ、 次第に人間的な心を忘れていく。
だが、美しいユダヤ娘フランス(オーロール・クレマン)と出会ったとき、 彼は本来の自分を取り戻すのだった……。
ルイ・マルのルシアンへ向ける<眼差し>は優しく暖かい。
ルシアンを演じたピエール・フレーズは一般教養など全く無い野生児の少年で、 生涯一度も映画を見たことも無ければ、映画館にも行った事も無く、 俳優になる気も全くなかったそうです。
おまけに、仏が独の占領下にあったという事情さえ知らなかった。
しかし撮影が進むにつれ17歳のこの野生児は、いとも簡単にルシアンになったといいます。
何のイデオロギーも持たないルシアンも下層階級の一員として、 ドイツ軍やゲシュタポの手先になる事で社会に対する報復を見出していったのです。
この悪に魅入られた少年は、お金と権力を手に入れた時、 何年もの間彼を見下してきた人々に仕返しをするのですが、 おそらく自分のしていることが道徳的に正しい事かどうかをわかっていたとは思えません。
一人の人間として、すべての矛盾を抱えたこの複雑なキャラクターをピエール・フレーズは見事に自然体で演じきりました。
マルは最初のラッシュを見た時からスクリーンの中のピエール・フレーズにとても得たいの知れないものを感じたそうです。
フランスを愛し始めたルシアンはフランスと祖母をドイツ兵士とともに逮捕するが、 ルシアンは兵士を殺しゲシュタポの追及をのがれ、フランスと祖母を連れてスペインへと脱走します。
.....国境に近い山間の空家にたどりついた三人は、追ってを逃れて森に隠れ、そこで様子をみることにしました。
それはかつて体験したことのなかった安らかな日々でした。
山々には花が咲き乱れ、ルシアンとフランスはその中で子供のように遊び廻った。
それは生まれて初めて体験する楽しさだった。
兎を捕らえたり、鳥を撃ったりと、得意満面のルシアンの顔.....だがそんな楽しい日々も束の間だった。
.....ルシアンとフランスと祖母ベラの三人はやがてゲシュタポに捕えられてしまう......。
ルシアンを演じた野生児ピエール・フレーズはこの映画の完成した二年後に交通事故で死んでしまいました。
この映画を精一杯生きた見事な演技でした.....。
冒頭、長い下り坂を自転車で疾走するクレジットシーンはとても見事で忘れられない青春の1ページです。
このシーンに使われていた軽快でおしゃれなジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリの音楽は大人のかおりがしました。
音楽演奏はジャンゴ・ラインハルトとフランス・ホット・クラブ五重奏団、 アンドレ・クラヴォ、イレネ・ド・トレベール。
追ってを逃れて森に隠れる場面で使われた音楽はインドの民族音楽でベンガル地方のフルート音楽だそうです。
この映画の全てが自然音によるオリジナル・サウンドで、この映画の真実味を見事に盛り上げています。
ルイ・マルは自作のベスト3を厳選すればという問に、
さよなら子供たち」「鬼火」「ルシアンの青春」をあげ、
「...私は映画とは何であるかと模索し、新しい可能性を見出し続けてきたが、
年を重ね人生を長く生きるにつれて、観念的なものよりも、より情緒的なものを信じるようになっていったのだ...」
と述べています。
Source : ekatocato.hippy.jp