19世紀末の北フランス、モンスー炭坑。不況の嵐が吹き荒れ、町には失業者が溢れかえっている。この町に仕事を求めて元機械工のエチエンヌ・ランチ エ(ルノー)がやってくる。労働者のリーダー格、マユ(ジェラール・ドパルデュー)は彼と意気投合して、彼に職と住居の世話をしてやる。そんなマユも老い た老父ボンヌモール(ジャン・カルメ)と7人の家族を抱えているために決して生活は楽ではなかった。そうした中で、長男や長女が成り行きとはいえ伴侶を得 て独立していった。もっとも長女のカトリーヌ(ジュディット・アンリ)の方はほのかにランチエに恋心を抱いていたのだが: 。モンスー炭坑は落盤事故でマユの次男が負傷したことに対して労働者側にきわめて不誠実な対応をし、権利意識に燃える労働者たちはストライキに突入した。 会社側はベルギーから移民労働者を受け入れてこれに対抗し、神経戦は長期化の様相を呈しはじめる。いつしかマユの妻マウード(ミュウ・ミュウ)がストライ キの先頭に立っている。今や労働者たちは飢えと不安で極限状態。武力衝突が発生し、マユは軍隊の威嚇射撃を胸に受けて死ぬ。修羅場のあと、それでも支配人 の娘の婚礼が華やかに執り行われた。やがて労働者たちはリーダーのランチエから離れて、仕事に戻っていく。闘争は敗北したのだ。ところがアナーキストの破 戒工作のためにランチエとカトリーヌと彼女の別居中の夫シャヴァル(ジャン・ロジェ・ミロ)は一斉に生き埋めになってしまう。シャヴァルは捨て鉢になって カトリーヌを抱こうとするが、ランチエは彼を殺し、カトリーヌと結ばれる。しかし救助隊が2人を発見したとき、彼女の息はなかった。その頃、新婚の支配人 の娘がマユ家を慰問に訪れると、ぼけているはずの老父ボンヌモールが彼女を殺害してしまう。数日後、町を離れようとするランチエは、生活のために再び炭坑 で働くマウードとすれちがい、あんたのせいじゃないよ、と言われ、今度こそ勝ってみせるぞ、と決意を新たにする。空には4月の太陽が輝き、大地を暖め、種 子が芽生えようとしていた。それは彼ら労働者の未来を予告するかすかな手応えとなっているように、ランチエには思えた。
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